グループホームの仕事内容とは
グループホームというのは、認知症の利用者が一緒に生活するための福祉施設です。
生活のサポートや介助をおこなう
グループホームでの職員の仕事は、利用者の生活のサポートや介助をすることです。
具体的には、掃除や料理などの日常的な家事を一緒に行ったり、必要に応じて入浴の介助を行ったりします。
しかし、認知症の利用者が自分で生活することも大切なので、必要以上に手伝うことはありません。
また、一般的なグループホームの利用者は普通に生活ができるため、医療行為やリハビリを行うことは少ないです。
グループホームで働く楽しさ
そんなグループホームで仕事をすることの楽しさは、利用者と一緒に生活することでコミュニケーションが取れることにあります。
たわいもないことを話したり、一緒に買い物に行ったりすることがたのしいと思う人が多いです。
自分と年代が異なる利用者と話すことで、新しい発見があったり知識を得たりもできるでしょう。
認知症を理解していないときつい仕事
しかし、もちろん楽しいことばかりではありません。
認知症の利用者は、突然混乱してしまったり突飛な行動をしたりすることもあります。
いくら話しても、話が通じない時もあるでしょう。
そんな時に、イライラせずに冷静に対応することがきついと感じる人もいるのです。
そのため、認知症に対する正しい理解と適切な対応が求められます。
グループホーム夜勤はつらい?
グループホームは、利用者が一時的に過ごす施設ではなく、毎日生活をする施設です。
もちろん夜になると施設内で就寝するため、職員も施設内に常駐しなければいけません。
夜勤の具体的な仕事内容として下記のようなことが挙げられます。
・利用者の見守り
・施設の見回り
・排泄の誘導や介助
グループホームの夜勤人数
そして制度上、グループホームの夜勤の人数は1ユニット(利用者5~9人で構成される単位)につき一人以上と定められています。
つまり、夜勤は一人で対応することとなっている施設が多いのです。
夜勤は利用者が寝ているため楽?
夜勤の時間帯には利用者は眠っており、昼間よりも忙しくないことが多いため、楽だと感じる人もいるでしょう。
また、120分程度の休憩時間が設けられている施設が多いため、仮眠をとることも可能です。
しかし、それは何もトラブルなどが発生しなかった場合の話です。
トラブルが発生すると忙しい
夜勤中に利用者の体調が悪くなったりしたら、一人で対応しなければいけません。
また、なかなか寝付けない利用者の対応をしていると、休憩がとれない日もあるかもしれません。
よって、一人で対応しなければいけない夜勤がきついと悩んでしまうもいます。
また、仕事内容が楽だとしても、深夜に起きていることでどうしても生活リズムが崩れるため、体調を崩してしまう人もいるのです。
グループホーム給料は安い?
常勤としてグループホームで働いている人の月給の平均は、27万円程度です。
これは年収だと330万円程度となります。
介護職全体の平均月給は30万円程度なので、他の介護職よりもやや低いといえるでしょう。
グループホームは稼げないイメージがある
しかしこれはあくまでも平均であり、管理職なども含まれているため、もちろん全員が27万円ほど稼いでいるわけではありません。
一般的な職員の場合は、月給20万円前後、年収240万円程度であることが多いです。
そのため、グループホームは稼げないというイメージを持っている人もいるかもしれません。
しかし、今後必ずしも稼げない状況が続くとはいえません。
高齢化により需要が高まる
稼げない状況が続くとはいえない理由は、グループホーム自体の数が増加していること。
高齢化の影響で認知症高齢者の数も増えて、今後も需要が高まることが予想されます。
その結果、施設同士の競争がさかんになり、職員の給料が上がる可能性も考えられるのです。
実際に、グループホームの平均給与は、平成28年から平成29年にかけて上がっています。
資格や夜勤による手当
また、資格を取得したり夜勤の数を増やしたりすると、給料のアップが期待できます。
資格を持っていると給与面で優遇されることがあるので、積極的に取得することをおすすめします。
また、夜勤に入ると夜勤手当がつく施設も多いため、体調を崩さない程度に夜勤に入ることもおすすめです。
グループ管理者の給料とは
グループ管理者とは、グループホームの全体的な管理をする人のことです。
グループ管理者の仕事内容
介護サービスの質を向上させるためにさまざまな取り組みを行ったり、事業計画を作成したりします。
職員の採用や育成、シフト管理などに携わることも多いでしょう。
利用者との契約手続きを行ったり、介護報酬請求に関する事務を担当したりすることもあります。
また、一般的な職員と同様に、介護サービスを兼務することもあるのです。
グループ管理者の給料
仕事内容が多岐にわたりとても多いため、大変なポジションであるといえます。
しかし、グループ管理者になると給料は上がります。
1.5~1.7倍になることもあり、月給の相場としては約24~28万円です。
仕事内容が多くて大変なので、基本給に手当が付いて、大変さに見合った給料になっているといえます。
施設によってはボーナスが支給されることもあるでしょう。
グループ管理者になるための資格要件
ただし、グループ管理者になるためには資格要件があります。
グループ管理者の資格要件は下記のようになっています。
「指定施設の従業者または訪問介護員などとして、認知症介護の経験が3年以上ある」
「認知症対応型サービス事業管理者研修を修了している」
誰でも管理者になれるわけではありませんが、給料を上げたい場合は管理者を目指してみてはいかがでしょうか。
グループホームあるある
ここではグループホームで働く人が共感できるような、グループホームあるあるについて紹介します。
距離感やコミュニケーションが難しい
グループホームで働くにあたって、利用者との距離感やコミュニケーションの取り方が難しいと感じる人が多いです。
グループホームでは利用者と職員が家族のように生活しているため、アットホームな雰囲気になります。
もちろん、その雰囲気が利用者に安心感を与えるという良い面はありますが、馴れ馴れしくなりすぎることもあるようです。
利用者にとって快適に過ごせる雰囲気作りが大切ですね。
家事をする仕事が合わない
また、仕事を辞めた理由としては、「家事のようなことをする仕事が合わなかった」というものが多いです。
グループホームは生活をする共同住宅なので、洗濯や掃除、食事作りなどの家事が仕事内容の大部分を占めます。
家事が苦手な場合は、ストレスを感じる人もいるでしょう。
職員同士で家事のやり方や考え方に差があって、ぶつかり合うこともあるあるだといえます。
よって、家事そのものに苦手意識がある場合は、あまり向いていないかもしれません。
腰への負担が大きい
辞めた理由としては、「腰痛によって辞めざるを得なかった」というケースもよくあります。
仕事中にしゃがんだり重い物を持ったりする動作が多いため、腰に大きな負担がかかるのです。
特に入浴介助が腰痛の原因となることが多いとされています。
そのため、作業する際の姿勢に気を付けたり、ストレッチなどして腰痛予防をする必要があります。
もし痛めてしまった場合には、適切な治療を受けるべきでしょう。