看護師に必要な役割とは?
看護師に求められる役割としてもっとも重要なのは、医師の診察を補助することです。
医師がスムーズに診察を進め、患者さんに対して適切な処置ができるよう、事前の準備や問診、点滴や注射、後片付けなどを行うのが看護師の役割です。
この役割を果たすには、医師や先輩看護師の指示を待つのではなく、自ら考え行動する姿勢が重要といえます。
身の回りのお世話
診察の補助と並んで重要な看護師の役割として、患者さんの身の回りのお世話があります。
食事や入浴、排泄の補助など、患者さんが入院生活を快適に過ごせるようサポートするのも、看護師の役割なのです。
看護師は医師よりも患者さんとの距離が近い分、医師に話しにくいことや伝えきれなかったことを患者さんからくみ取ることができます。
その内容を医師に伝え、よりよい医療につなげるのも看護師の仕事として必要なことです。
責任のある仕事
いうなれば看護師の仕事は、医師と二人三脚で患者さんの命を支える責任あるものなのです。
しかし患者さんの命を預かるからこそ、看護師の仕事は往々にしてハードワークになりがち。
そのため忙しさに気を取られて、看護師としてどうあるべきかを見失ってしまうこともあります。
看護師としての役割を果たすには、責任の重い仕事であるという自覚と同時に、看護師として必要なスキルを磨き続ける心構えが必要です。
看護師に求められる三要素とは?
看護師の仕事を構成する要素には、「知識」「技術」「態度」の3つがあります。
これら3つの構成要素を満たしてはじめて、1人前の看護師と呼べるのです。
知識
看護師に求められる知識は、主に担当している科の専門知識を指します。
医療分野の発展は日進月歩といわれています。
常に学び続ける姿勢を持っていなければ、患者さんにベストな医療を提供することが難しくなるでしょう。
実際に看護師として働いていると、自分の知識が足らない部分が見えてくるはずです。
その不足している部分を補い続けることで、1人前の看護師に必要な知識が身につきます。
技術
知識と同時に看護師に求められるのが技術です。
知識ばかり詰め込んで技術がともなわなければ、ただ頭でっかちになっただけで現場では使い物になりません。
看護師としての技術を磨くには、実際の現場で数をこなしていくしかありません。
先輩看護師を観察して技を盗んだり、直接コツを聞いてみたりして技術向上を目指しましょう。
態度
豊富な知識と高い技術に加えて、医療に携わるものとして適切な態度も看護師の構成要素です。
態度とはすなわち人との接し方を指します。
不調を抱え不安でいっぱいな患者さんに対し、看護師が無愛想な態度で接したら、患者さんは余計に不安が大きくなったり、気軽に相談できなくなったりするはずです。
したがって看護師は、常ににこやかな態度で患者さんと接することが求められるのです。
看護師になるには?
看護師になるには、看護師国家試験に合格する必要があります。
国家試験の受験資格を得るには、いくつか方法があります。
学校に進学する
もっとも一般的なのが、高校を卒業した後、看護系学科のある大学や短大、専門学校に進学する方法です。
大学や短大の場合、他学科の講義を受けることも可能なため、将来看護師として働く際に生かせる学問を学ぶチャンスがあるのが特徴です。
入学1年目にかかるおおよその費用は下記のようになっています。
・大学の場合115万~200万
・短大の場合63万~182万
・専門学校の場合52万~160万
この他にも、高校卒業後に病院や大学医学部に付属している看護学校を卒業する方法もあります。
准看護師から看護師を目指す
また、准看護師資格を取得してから看護専門学校に通い、看護師を目指すのもひとつの方法です。
准看護師とは、医師や看護師の指示のもと患者さんのお世話や診察の補助を行う仕事です。
准看護師から看護師を目指す方法は、他の業界で働く社会人や子育てを終えた主婦に人気があります。
准看護師は、正看護師と違い国家資格ではないため、資格取得にかかる時間や費用が少なく済みます。
そのため准看護師は、まとまった勉強時間を捻出するのが難しい社会人や主婦に人気なのです。
准看護師から看護師へのステップアップを目指す場合には、准看護師の資格を取得した後、看護専門学校に2年間通い、看護師国家試験に合格することが必要です。
看護師に求められる能力とは?
先ほど看護師には豊富な知識と高い技術、患者さんを安心させる態度が必要と解説しましたが、看護師に求められる資質は他にもあります。
それがコミュニケーション能力です。
コミュニケーションが活かせる場
コミュニケーション能力は、問診で患者さんの状態を細かく聞き取ったり、その内容を過不足なく担当医に伝えたりするときに役立ちます。
また入院中の患者さんとの何気ない会話のなかから、患者さんの体調の小さな変化をキャッチするのも、高いコミュニケーション能力が必要です。
さらには同僚看護師と連携をとり、正確な看護を実現するためにも、頻繁な情報交換が必要になります。
その際にもコミュニケーション能力は力を発揮するのです。
観察力を鍛える
コミュニケーション能力は、小さな努力の積み重ねによって伸ばすことができます。
コミュニケーション能力を高めるポイントは観察力にあります。
観察力を高めることで、相手の思っていることや考えていることを察したり、相手の状況を把握して適切な会話を選択したりすることができ、その結果としてコミュニケーション能力が向上するのです。
観察力を鍛えるには、愚直に相手をよく見るクセをつけるしかありません。
観察することを続けるうちに、だんだんと相手の小さな変化に気づけるようになってきます。
このような状態になるまで観察力を高められれば、患者さんの顔色や仕草から患者さんの状態を推し量り、円滑なコミュニケーションにつなげることが可能になります。
コミュニケーション能力の高め方とは?
自分はコミュニケーションが苦手だから看護師には向いていない、と割り切ってしまう事はとてももったいないです。
コミュニケーション能力はセンスや才能ではなく、努力で向上させることができます。
コミュニケーションでお悩みの方は次で説明することを意識してみてください。
相手のことを知ろうとする
特に初めて会った人や親しくない人はお互いの考えや悩みなどを知りません。
まずは相手に興味を持ち、知らない情報を得ようと努力する必要があります。
よく一方的に話しかけて相手の話を聞かない人がいますが、これではコミュニケーション能力が高いとは言えません。
看護師として、患者の状況や悩みを聞き出したいのであれば、相手にたくさん話をしてもらう努力をしましょう。
イメージとしては、自分が話す量よりも相手が多く話すように心がけましょう。
共感する
人は自分が気持ちや考えを理解して、共感してもらえると相手のことを信頼しやすいです。
さらに信頼する相手には自身の深い部分を話してくれるようになるでしょう。
初めて会った信頼していない人に対して、すべてを本心で伝えたりはしませんよね。
下記、共感の一例になります。
A:「仕事で上司が理不尽でね~」
×「そうなんですね」
×「なるほど」
〇「わかります~うちも同じですよ(笑」
〇「そうなんですね。どんなことがあったんですか?」
わかりやすく伝える
話をしていて「何が言いたいのか分からない」「目的が分からない」などと思ったことはないでしょうか。
話の目的が明確になっておらず、内容がまとまっていないと上手く相手に伝えることができません。
また看護師が特に注意しなくてはならないのは、専門用語を乱用しないことです。
看護師同士であれば問題はないですが、例えば受け持ち患者に対して専門用語を使用しても理解されません。
相手のレベルを理解し、相手に合わせたコミュニケーションを図ることが重要です。