バーンアウトとは?
バーンアウトとはどういう状態のことを言うのでしょうか。
看護師はバーンアウトが多い?
バーンアウトとは別名「燃え尽き症候群」という意味であり、普段精力的に仕事に励んでいた人が仕事へのやる気や意欲がなくなってしまい、燃え尽きてしまったように見える状態になってしまいます。
看護師など人とのコミュニケーションが多い職種によく見られる傾向があります。
看護師の場合、患者をはじめ、医師や他の看護師など仕事柄相手との信頼関係の構築は必要不可欠と言えます。
しかし、日頃から思いやりを言動や行動を意識する必要があるため、必然的に情緒的なエネルギーは大きく消費されます。
バーンアウト(燃え尽き症候群)の症状とは
バーンアウトには以下のような症状が出ると言われています。
バーンアウトの症状
- 情緒的消耗感(強い疲労感を感じる)
- 脱人格化(思いやりを持てなくなる、他人に冷淡になる)
- 個人的達成感の低下(達成感が低下する、仕事への意欲がなくなる、自信をなくす、休職や離職をしてしまう)
仕事に情緒的なエネルギーを注ぎ過ぎてしまい、強い疲労感を感じてしまうという症状が現れてしまいます。
また情緒的エネルギーが欠如した状態に陥ると脱人格化と呼ばれる症状が起きやすくなると言われています。
患者の人格を否定するような行動や言動をするようになり、思いやりが感じられない冷たい態度をとってしまいます。
さらに達成感の低下もバーンアウトの特徴的な症状と言えます。
脱人格化の症状で離職してしまうことも
脱人格化などによって仕事の質が著しく低下してしまい、その結果どんなに仕事をこなしても達成感が得られなくなり、仕事への意欲が薄れてしまいます。
そのため、自信をなくしてしまい、場合によっては休職や離職してしまうケースも少なくありません。
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バーンアウトする原因とは?
バーンアウトの大きな原因の一つと言われているのがストレスです。
どんな人がストレスを溜めやすいのでしょうか。
完璧主義で頑張りすぎる人
完璧に物事をやり遂げたい人や何事にも一生懸命に取り組まないと気が済まないという人はバーンアウトになりやすい傾向にあります。
特に看護師など患者に対して様々なサポートが必要な職業は、はっきりとした成果が見えづらいと言えます。
そのため、相手に安心してもらおうと独自のサポートを行ったり、相手の無理難題な要求にも応えてしまう看護師も少なくありません。
そのような状況が長く続くと心身共にストレスが蓄積され、結果的にバーンアウトと診断されてしまうケースが多いです。
自分の評価を高めたいという事で、つい頑張り続けてしまうという人はバーンアウトになるリスクは高まるので注意が必要です。
重労働や長時間労働になっている人
一方、重労働や長時間労働によって生じるストレスもバーンアウトの原因になっていると言われています。
長時間労働によるストレスは近年社会問題化している人手不足も要因とされています。
人手不足と言われている事で長時間労働になりやすい看護師や保育士、高いノルマを課せられている営業職などは人と接する機会が多い事から、必要以上のエネルギーを消費しやすくなりバーンアウトになりやすいと言えます。
また看護師や保育士などの職種は女性の割合が多いため、男性よりも女性の方がバーンアウトになりやすい傾向にあるようです。
バーンアウト診断
バーンアウト(燃え尽き症候群)を診断する方法としては、MBIと呼ばれるチェック方法があります。
情緒的消耗感や脱人格化、個人的達成感の低下の3つの症状をものさしにする事で自覚症状の有無をチェックするもので、以下のチェック項目があります。
バーンアウト(燃え尽き症候群)診断
当てはまる項目が多い人はバーンアウトになりやすいと言えるので注意しましょう。
- 今の仕事をもう辞めたいと思う事がある
- われを忘れるほど仕事に集中してしまう事がよくある
- 細かい事に気配りする事が面倒くさいと感じる事がある
- 今の仕事は自分に合っていると思う事がある
- 職場の上司や同僚と顔を合わせるのも嫌になる事がある
- 自分の仕事にやりがいを感じずつまらなくて仕方がないと思う事がある
- 1日の仕事が終了すると「やっと終わった」と感じてしまう
- 職場に出勤するのが嫌で自宅にいたいと思う事がある
- 仕事が終了した後、今日は充実した1日だったと思う事がある
- 上司や同僚と何も話したくないと思う事がある
- 仕事の結果や成果についてあまり気にしなくなる事がある
- 仕事の影響で心に余裕がなくなったと感じる事がある
- 今の仕事に対して心から喜びや満足を感じる事がある
- 今の仕事は自分にとって意味がないと思う事がある
- 仕事が楽しいあまりに、知らない内に時間が経過している事がある
- 心身共に疲れ果てたと思う事がある
- 仕事を上手くやり遂げたと思う事がある
バーンアウトの予防法とは?
バーンアウトの特徴として挙げられる無気力感や憂うつな気分はうつ病の症状ととても似ている事から、バーンアウトはうつ病の一種であるという見方もされています。
バーンアウトとうつ病は違う?
バーンアウトとうつ病は違のでしょうか。
うつ病 … 日常生活における様々なストレスが要因
バーンアウト … 職場という限定した環境下でのストレスが要因
うつ病の発祥は日常生活における様々なストレスが要因となっているのに対し、バーンアウトは職場という限定した環境下でのストレスにより発症しやすくなるという特徴があります。
そのため、バーンアウトから回復するにはうつ病とは違った予防法や治療法が必要になってくると言えるでしょう。
バーンアウトの有効な予防法とは
以下ではバーンアウトの有効な予防法について紹介します。
仕事とプライベートをきちんと切り離す
バーンアウトの有効な予防法としては、スタッフの言動や行動を注意深く観察し、バーンアウトを未然に防ぐ事ができる職場環境を構築する事が必要不可欠と言えます。
バーンアウトの具体的な予防策としては、プラベートの時間がきちんと確保できるよう仕事を調整するなど企業が仕事とプライベートの線引きしてあげるという事です。
特に時間外に発生した仕事などの対応についあたってしまう人には、メンターや上司が十分に配慮した上で仕事に集中できる環境を構築してあげる事が大切です。
明確な目標・支援があり、成果を評価される環境を作る
また明確な評価基準や目標・支援がある事を周知させる事も予防法の一つと言えます。
広く意見を聞きながら公平な評価制度を築いていく事は働く側にとってはモチベーションのアップに繋がります。
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退職は考えるべき?
バーンアウトは職場でのストレスが一つの要因と言われている事から、休職又は退職をすれば改善する可能性は高いと言えるでしょう。
そのため、バーンアウトが発症した事で仕事に対する熱意が無くなってしまった場合は、退職や休職という選択をした方が良いという意見もあります。
退職後の立ち直り方とは
バーンアウトによる退職後の立ち直り方としてはいくつかの方法があります。
今の状況や状態を受け入れる
その一つが自分の今の状況や状態を受け入れるという事です。
自身が燃え尽きるまで仕事に当たってきた、最後までやり抜いたという事を素直に認めて受け入れます。
一つの事に対して打ち込めるという人は、完璧主義で几帳面な人が多いと言えます。
自分を褒めて肯定してあげる
燃え尽きるまで一生懸命にやってしまうとすぐに別の事を始めるのが難しくなり、できないと自分を責めて追い詰めてしまう傾向があります。
心身が疲弊している状態では、集中して頑張る事は容易ではないので、時には自分を褒めて肯定してあげる事も大切です。
仕事以外で何か新しい事を始めてみる
また毎日変化のない生活を繰り返している事もバーンアウトになる要因とも言われています。
そのため、仕事以外で何か新しい事を始めてみる事もバーンアウトの立ち直り方としては有効な方法です。
バーンアウトを発症してしまったら思い切って退職をし、回復に専念する事も必要と言えるでしょう。
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