看護師の申し送りとは?
看護師の申し送りとは勤務時間を終了して退勤する前に、他のスタッフにより良い看護をするために必要な情報を提供することです。
特に交代制で勤務をしているときに次の担当をする看護師に対して患者や家族の様子や要望、医師など他のスタッフからの指示事項などを伝えることを指します。
申し送りの目的とは
申し送りの目的とはどういったものなのでしょうか。
申し送りは看護師が交代したことによって患者が受けられる看護の内容が大きく変わってしまったり、希望を伝えたはずなのに伝わっていないと不満に思ったりしないようにするのが主な目的です。
また、医師から受けていた指示を引き継ぐことによって注射などの処置を適切なタイミングで行えるうにする意味もあります。
基本的に、申し送りは現場での看護をスムーズかつ患者と医師の両方のニーズに合ったものにするための手続きです。
申し送りの内容は必要なことをわかりやすく
どの現場でもある程度の時間を設けて申し送りをしてから退勤したり、業務を開始したりしています。
そのため、看護師の申し送りは内容が必要十分なことが求められます。
申し送りが必要なことがたくさんある場合には、わかりやすくまとめることも必要です。
また、患者からの希望に優先度がある場合にはその内容も次の担当の看護師にわかりやすく伝えなければなりません。
申し送りにかける時間は?
看護師にとって重要な業務の一環と言えるのが申し送りですが、時間が長いから廃止した方が良いのではないかという議論もあります。
一般的な傾向としては申し送りにかかる時間はどれくらいなのでしょうか。
一般的な申し送りの時間とは
一般的な傾向としては15分~20分くらいです。
診療科や看護師一人あたりのベッド数などによっても違いがあり、どの範囲で申し送りをしているかによっても差があります。
長い場合には30分~40分、短くても10分くらいはかかっているのが実態です。
30分以上もかかってしまっていると看護業務が滞ってしまう時間がそれだけ長いことになるので、患者に提供できる看護サービスも、医師の補助による医療の充実度の向上も難しくなってしまうことは否めません。
申し送り時間の短縮化を推進
しかし、現実的には廃止によるリスクが大きいことから時間の短縮化の試みが進められています。
典型的なのがテンプレートを作成する方法で、自由書式のものよりもスムーズに記入することが可能です。
要点を整理しやすいように予め項目を分けておき、患者の容体などの内容について文字で書かずとも〇を付ければ良いようなフォーマットにしておくと効率が上がります。
最後にまとめてやるのではなく、合間を縫ってキーワードを記入しておき、最後に整理をするだけでまとめられるようにするのも合理的なやり方です。
申し送り怖い人が多い理由とは
申し送りは怖いという看護師も大勢います。
その理由とはどういったものなのでしょうか。
申し送りが怖い理由とは
申し送りの内容を受けて次の看護師が仕事をすることになりますが、もし内容に誤解を生むようなところがあると一大事になりかねません。
怖い理由
- 患者の要望に相違があって怒られるのが怖い
- 申し送りが上手くできず、看護師同士の人間関係が崩れる
- 医師から指示を受けた処置の時間を間違えるのが怖い
患者がこういうことを要望していたと伝えたとして、患者に話を聞いてみたら違っていて怒られてしまったとなると、申し送りを受けた看護師としては代わりに謝らなければならないのも心外でしょう。
このような些細なことで看護師同士の人間関係が崩れてしまうのではないかという懸念も持たざるを得ません。
また、医師から指示を受けた注射の時刻を書き間違えたなどということがあると一大事になりかねません。
申し送りは看護師にとってプレッシャー?
このような心配があるからこそ丁寧に書いて間違いのないものに仕上げ、適切に口頭でも話をして伝えたいと思うでしょう。
しかし、業務が忙しくてなかなかまとまった時間を使って書くこともできず、申し送りにあまり長い時間を使ってしまうと次の看護師の業務時間を削ってしまって迷惑がかかります。
時間を短縮して手際よく申し送りをすることが義務のような感じになっていて、大きなプレッシャーを受けながらやらなければならないのが大変なのです。
申し送りをした看護師の反響が良くないと余計に不安になって苦手意識を持ってしまいがちです。
申し送りの順番&コツとは?
ここでは、苦手意識が克服できるような申し送りの順番やコツを紹介していきたいと思います。
申し送りの順番&コツ
申し送りをするときには順番を定型化してスムーズに書けるようにしつつ、やるべきことや注意すべきことの優先度がわかるように書くのがコツです。
コツ
順番を定型化し、やるべきことや注意すべきことの優先度がわかるように書く
順番
患者→主訴→治療→症状→患者の要望→医師から受けた指示
◎何が起こったか、これから何が起こり得るかという流れにする
順番としては基準があるわけではありませんが、患者、主訴、治療、症状について記述し、何が起こったか、これから何が起こり得るかという流れにするのが適切です。
そして、最後に患者の要望や医師から受けた指示などをまとめて記載するとすぐに理解できる申し送りのメモになります。
申し送り例文
例文を通して考えてみるとわかりやすいでしょう。
以下のような例で記載する内容の順番や内容の簡潔さについて確認しておきましょう。
【例文】
「101号室Aさん51歳男性、9月11日16時20分に腹痛で入院し、問診により未調理の牡蠣を食べていたことから食中毒と診断されました。嘔吐がないことから胃内洗浄を実施して経過観察中です。容態が落ち着いて安静療養中ですが、腹痛や悪心の症状が出る可能性が高いので定期的な観察が必要になります。点滴は水分補給目的ですが、点滴を嫌がっているので時々話をして不安を取り除いてあげて下さい。医師からは明朝まで様子を見て回復している様子なら退院と伝えられています。家族が明朝9時に様子を見に来る予定です。」
申し送りメモの取り方
申し送りはノートに記入して渡すことも重要で、その内容を端的にまとめられるようにするスキルが求められます。
申し送りのポイントはメモ!
実際に大変なのは申し送りのタイミングで次の看護師に適切な内容を短時間で説明することです。
このときに手元にメモを持っているだけでスムーズになるので、わかりやすいメモを作成しておきましょう。
記憶に頼ってしまうと間違いをしてしまうリスクが高くなるので、申し送りメモを作って説明するのが大切です。
申し送りメモの取り方のコツとは?
申し送りメモの取り方のコツとして挙げられるのがキーワードを列挙することです。
文を書いてしまうとそれを読み上げる感じになってしまって意図が伝わりにくくなります。
メモの取り方コツ
〇 キーワードで箇条書きにする(伝えなければならない項目、数値、指示内容)
× 文章で書く
伝えなければならない項目や数値、指示内容などをキーワードで箇条書きにしたメモを手元に置いて申し送りをすると取りこぼしがなくなるでしょう。
ただ、このようなメモから話をするのにはテクニックが必要なので練習をしてスキルを体得することが欠かせません。
キーワードを見てその周辺事項の記憶を蘇らせるのが大切で、その流れができるように頭の中で情報整理をする習慣を作るのが必須です。
この準備さえ習慣的にできるようになれば申し送りをいつもスムーズにできるようになるでしょう。
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