災害看護師になるには?災害時の看護活動を行う看護師の実態とは?

災害看護師になるには?災害時の看護活動を行う看護師の実態とは?

災害看護の仕事内容とは

災害看護の仕事内容とは

災害看護とは、災害現場における看護業務の事です。

地震や津波、豪雨による水没、竜巻などの自然災害、または鉄道事故や大規模火災、無差別テロなど人為的災害は、いつどこで発生するかわかりません。

もし起こった際は通常の救急医療体制ではとても手に負えず、日頃から緊急事態に備えて医療体制を整えておかなければいけないのです

ちなみに災害現場で働く看護師は、日本看護協会による災害支援ナース派遣と災害派遣医療チームであるDMATのいずれかに所属する事になります。

災害支援ナースの役割

災害支援ナースは日本看護協会各都道府県の看護協会が連携しており、災害が発生した時は災害の規模に応じて現場に派遣されます。

災害発生3日以降から1ヵ月の期間、病院や社会福祉施設、避難所などにて業務にあたる事になります。

主な仕事内容

  • 応急処置、治療、ケア
  • 感染症対策
  • 被災ナースの心身負担軽減

被災ナースの心身負担軽減や体調不良を抱える被災者に対しての応急処置、手洗い指導など感染症対策が主な業務で、継続的な医療支援を行っていきます。

DMAT看護師の役割

一方、DMATの一員として働く際は医師や業務調整員と共に3~5人程度のグループを組み、要請があると災害急性期の48時間以内に現場に駆けつけて活動します

主な仕事内容

  • 怪我の応急処置
  • 緊急治療、救護
  • トリアージ
  • 重症患者移送の同行

怪我の応急処置や救護以外にはトリアージや重症患者移送の同行なども看護師の役割となります。

災害看護になるための資格とは

災害看護になるための資格とは

災害看護専門看護師になるには必要な要件があります。

災害支援ナースに必要な資格

下記は災害支援ナースの必要な要件になります。

  1. 都道府県看護協会の会員である
  2. 5年以上の実務経験がある
  3. 各都道府県看護協会が主催する災害支援ナース養成のための研修を修了している
  4. 所属施設がある場合、所属長の承諾

まず災害支援ナースの場合は、都道府県看護協会の会員である、5年以上の実務経験がある、各都道府県看護協会が主催する災害支援ナース養成のための研修を修了している、そして所属施設がある場合は登録に関する所属長の承諾が必要となります。

そして必須ではないですが、災害看護研修や合同防災訓練への参加、都道府県看護協会主催の報告会や交流会への参加も望ましいとされています

また災害支援ナースを続けるには定期的な登録更新が必要で、更新の際には更新研修を受けなければいけません。

DMAT看護師に必要な資格

DMAT看護師になるためには、看護師資格以外の特別な資格は要りません

  1. DMAT指定医療機関に勤める
  2. 国立病院機構災害医療センターにて日本DMAT隊員養成研修を受ける
  3. 研修受講後の筆記試験、実技試験に合格

ただ急性期医療に関する知識と経験は必須であるため、DMAT指定医療機関に勤める必要があります

一般の病院に勤めている中で将来的にDMAT看護師として働きたいと考えるなら、まずは各都道府県にあるDMAT指定病院へ転職し、救命救急や急性期医療の現場に携わって経験を積んでいきます。

病院からDMATに選抜されれば、国立病院機構災害医療センターにて日本DMAT隊員養成研修を受け、研修受講後に行われる筆記試験と実技試験の合格を目指します。

ちなみに合格した後も5年ごとに資格の更新が必要となります

災害看護師の魅力とは?

災害看護師の魅力とは?

災害看護師で働く人が感じている、災害看護師の魅力とはどういったものなのでしょうか。

災害や被災時に必要な知識や技術が身につく

災害看護師の魅力とは、まず災害に関する知識や被災時に役立つ技術が身に付けられる事です。

DMAT隊員になると、たとえ要請が出ず派遣される事がなくても訓練や研修、講習などを通じて事故発生時の対応や救命措置などのスキルを学んでいます

自然災害が多い国だからこそ、いつどこで誰が被災者になるかわかりませんが、被災した時の対処法を熟知していれば自分だけではなく、家族や周囲の人にも役立てられます。

急性期医療や看護のスキルアップが上がる

また災害時の看護師の役割は、傷病者のトリアージや重症患者の救命措置など通常の病院勤務では行わない業務も担います。

1分1秒を争う現場では誰かに質問したり調べたりしている暇はありません。

自分の行動に責任を持たらなければならず、常に緊張した状態の中で働くため急性期医療や看護のスキルアップは着実に上がります

別分野の看護師と連携するため看護師としての視野が広がる

さらに災害医療の現場では、災害看護師のみならず、様々な分野の看護師と連携して救助を行っていきます。

難しい場面に遭遇した際は、お互いの知識を出してあって具体的な支援方法を模索し、解決策を見出さなければいけません

つまり働きながら色々な人とコミュニケーションをとって関わり合いを持つため、看護師としての視野も広げられるのです。

災害看護学会とは

災害看護学会とは

今まで大きな地震や水害、化学兵器を利用した無差別テロなど次々に災害が発生してきました。

その度に多くの看護師が現場に派遣され様々な活動を行ってきましたが、災害看護に関する知識不足が顕著にみられました。

この問題は日本だけではなく世界的に見ても同様で、知識体系が整備されていない事や災害看護のエキスパートが少ないこと、災害看護研究のネットワークが少ないことなどが問題となっています

そこでこの現状を打開すべく、世界災害看護学会が立ち上げられました。

世界災害看護学会の役割

世界災害看護学会では各国からの実践報告や研究報告、災害の実状を共有しながら、看護職が果たすべき役割などについて意見交換していきます

そして「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的に柔軟に用いていき、他の専門分野と協力しながら災害の及ぼす生命や健康生活への被害を抑えるために活動を展開すること」を災害看護の定義とし、防災から初期及び中長期的活動を含むものを災害看護として捉える事となりました。

世界災害看護学会への入会方法

学会への入会資格に関しては、看護職のみと限られておらず、災害看護学に興味がある人なら誰でも入会可能となっています。

また会員は個人会員と組織会員、賛助会員の3種類があります

災害看護師の研修とは

災害看護師の研修とは

災害支援ナースを目指すには、12時間の研修を受ける必要があります

災害看護師研修で学ぶこととは

災害看護師研修で学ぶことを紹介していきます。

  1. 災害の種類
  2. 災害医療体制の基礎知識
  3. 看護支援活動
  4. 発生しやすい健康被害
  5. 被災者心理的変化のケア方法
  6. 災害支援ナースの役割
  7. 災害支援ナースの登録要件
  8. 他職種との連携
  9. 具体的な業務内容
  10. 派遣先の現場
  11. 心構え
  12. 安全に活動するための留意点  等

まずは災害の種類や災害医療体制など基礎知識から始まり、災害時に求められる看護支援活動、災害各期に発生しやすい健康被害、被災者の心理的変化に対してのケア方法、そして災害支援ナースの役割と登録要件、他職種との連携などについて順を追って学んでいきます。

災害支援ナースとは具体的にどんな業務をこなしていくのか、どのように現場に派遣されるのか、さらに支援者としての心構えや安全に活動するための留意事項を学んでいけば、災害支援ナースとして活動するための準備も万全な状態に整えられます。

災害支援ナースに求められる資質とは

実際に研修を受けた受講生からは、「学ぶべき項目が多くて大変だった」「改めて大変な仕事だと感じた」といった感想がよく聞かれます。

ただ被災地で活動するとなると、普段の看護とは違う厳しい環境で業務をこなしていかなければならず、研修では厳しい言葉をかけられるのも当然と言えます

また災害看護の現場では、看護師としてのスキルはもちろん、行動力やリーダーシップ、過酷な状況でも耐えられる心身の健康も必要になってくるため、研修では災害支援ナースに求められる資質などについての説明も行われます。

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