認定看護師資格更新の手引き
認定看護師の資格は一度取得すれば永久に有効というわけではなく、有資格者であり続けるためには更新が必要になります。
認定看護師の更新は5年ごと?
更新が必要になるのは認定看護師に認定されてから5年が経過した時です。
5年ごとに新たに資格者に対して更新をおこなうことで、認定看護師の水準を保つことができるようになっています。
更新をするためには資格を認定している日本看護協会に対して4種類の手続きが必要になります。
更新の申請方法とは
まず初めにしなければいけないのは更新の申請で、申請はインターネットを利用しておこないます。
更新をするためには費用がかかるので、審査のための料金を振り込むことも必要な手続きです。
更新のための手続きは提出する書類を審査することで進められ、特別な試験を受ける必要はありません。
提出書類は2種類の方法で提出する
提出用の書類は2種類の方法で提出することが義務付けられています。
1つはインターネットから提出する書類で、もう1つは郵送により提出する書類です。
どちらか一方だけでなく、必ず2つの方法で必要な書類を提出する必要があるところが、正しく審査を受けるためのポイントになります。
更新を受けるために必要なものは、上記の審査のために提出する書類と受験料ですが、インターネットから書類を提出するための環境もあらかじめ準備しておく必要があります。
認定看護師の更新をしないといけないの?
認定看護師の資格を所有している人は原則として5年ごとに資格の更新をする必要がありますが、資格を所有している人は誰でも更新しなければいけないという性質のものではありません。
更新しないデメリットとは
更新を希望しない人は更新の申請をしないことも可能ですが、その代わり今まで所有していた認定看護師の資格がなくなるのがデメリットと言えるポイントです。
認定看護師の資格がなくなれば普通の看護師と同じ立場になるので、認定看護師の資格があることが給与の額に関係していた人は、給与の金額に影響が出る場合もあります。
その一方で、認定看護師の資格を更新しなくても、看護師としての仕事を続けることは可能です。
キャリアアップを望んでいる人はさらなる資格を他に取得する方法もあります。
資格を喪失しても再認定制度で取得できる?
認定看護師の資格を更新しなかった場合には資格を喪失することになりますが、日本看護協会には資格を失った認定看護師が再び認定看護師の資格を取得することができる再認定審査という制度も設けています。
この制度を活用すれば、認定看護師の更新をせずに資格を失った人でも、審査に合格すれば再び資格を取得することができます。
そのために、再認定審査を後で受けることを前提にして、一旦更新をしないという方法を取ることも可能です。
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認定看護師資格更新の費用とは
認定看護師になるためには、看護師としての経験や知識のほかに、資格を取得するための各種の費用も必要になります。
認定看護師になるための費用
認定看護師の資格を得るためにはまず専門の教育機関で必要な技能を習得する必要がありますが、教育機関で授業を受ける必要があります。
- 入試検定料 … 約5万円
- 入学金 … 約5万円
- 授業料 … 約70万円
- 実習料 … 約10万円
- 認定審査費用 … 約5万円
- 認定費用 … 約5万円
- 通学費、家賃等
授業料のほかに入学金や実習を受けるための費用なども必要になるので、全てを合計すると学校に支払う金額だけでも100万円近くになります。
認定審査を受ける時と審査に合格した後にも費用が必要になり、両方合わせると10万円程度の費用になります。
それ以外にも各種の費用が必要になるケースがあり、学校が自宅から離れている場合には、通学のための費用も準備しておく必要があります。
自宅から電車などで通えない場所に学校がある場合には、学校の近くに住宅を借りるための予算も必要です。
認定看護師更新の費用
認定看護師の資格は取得してから5年ごとに更新する必要がありますが、更新に必要な費用は種類ごとに異なります。
- 認定審査(審査料 約5万円、登録料 約5万円)
- 更新審査(審査料 約3万円、登録料 約2万円)
- 再認定審査(審査料 約3万円、登録料 約2万円)
- 延長審査(審査料 約3万円)
審査のための料金は消費税が10パーセントになったことにより値上がりしたため、2019年から30800円になっています。
認定更新の審査に合格した人は、再度登録の手続きをする必要がありますが、こちらも消費税率がアップした2019年から認定料が20900円に変更されています。
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認定看護師更新審査でで不合格にならないために
認定看護師の資格を更新するための審査は、更新のために必要な条件を全て満たしていれば、原則として合格することができます。
ですが、必要な条件が満たされていない場合には不合格になることもあり得るので、更新の申請をする前にはあらかじめ、自分が条件を満たしているかどうかを確認しておいたほうが安心です。
審査に合格するポイントとは
申請をおこなった人全体の合格率は毎年異なっていますが、審査に合格するポイントは、日本看護協会の定めた基準にしたがって、日ごろから看護の業務をおこなうことです。
認定を受けてから5年間の間にどれだけ、看護の仕事の実践と自己努力をしたかも、審査のポイントになります。
審査ポイント
- 2,000 時間以上の看護実践時間
- 50 点以上の自己研鑽実績
更新審査を受けるためには、5年間に2000時間以上の看護実践時間あることが必要になり、この基準を満たしていない認定看護師は、更新審査を受験することができません。
そのために、更新の審査が近づいてきた認定看護師は自分の看護実践時間がどれだけあるかを計算しながら、働くことも重要です。
そのほかに、学会や研究会などに参加したり発表をしたりすることも、審査を受験するために必要なことで、研修実績と研究業績などが合計で50点以上になっていれば、更新のための審査を受験することができます。
認定看護師資格更新は延長できるの?
認定看護師の資格更新は条件を満たしていれば延長することも可能です。
原則的には資格を取得してから5年後に再び審査を受ける必要がありますが、特別な事情などが存在する場合には審査を受ける期間を通常よりも延長することができます。
延長が認められる条件とは
延長が認められる条件の1つとしてあげられるのが、病気が理由となって認定審査を受けることができない場合です。
病気以外にも、協会がやむを得ない事情があると認めた場合には、審査を延長することができます。
延長が認められるかどうかは、申請者から提出される書類の内容によって、個別に判断されます。
なお、更新の申請をおこなうときに看護師としての仕事を休んでいる人でも、休業前までに更新のために必要な看護実践の時間や自己研鑽の実績がある場合には、延長をしなくても審査を受けることが可能です。
延長の期間は原則1年間
延長の申請ができるのは認定看護師の資格を持っている看護師だけで、決められた期間の間に申請をしなければいけないことも重要なポイントです。
申請により延長できる期間は原則として1年以内で、この期間の間に改めて更新の申請をする必要があります。
更新ができない理由が継続している場合には、最大で3回まで延長することができます。
この場合に更新が猶予される期間は合計で3年になります。