不妊カウンセラーの相談内容とは
不妊カウンセラーが受ける相談内容は、不妊に関する悩みや治療方法、費用など、多岐にわたります。
不妊カウンセラーが受ける主な相談内容
妊娠、出産や不妊に関する情報提供を行ったり、不妊で悩んでいる夫婦や女性に対して心理カウンセリングを行ったりすることで、相談者の不安や悩みを解消し、納得の行く不妊治療が選択できるようにサポートをします。
主な相談内容
- 不妊に関する悩み
- 治療方法の種類
- 治療にかかる費用
- 公的助成金について
- 仕事との両立
- 年齢
- 治療期間
- 治療方針
- 転院について
- 心理カウンセリング 等
クライアントは女性だけでなく、男性の場合もあります。
不妊治療を始める方からの相談の多くは、治療方法の種類や治療にかかる費用、公的助成金に関する事です。
また、仕事との両立、年齢や治療期間などの不安についての相談を受けることもあります。
そして、治療中の方から受ける相談内容には今後の治療や転院について、治療方針への疑問などが多くなってます。
こういった疑問や不安をすべて解決することで、相談者は安心して治療が開始できるのです。
カウンセリングはどんな場所でするの?
不妊治療を行っている方の中には、治療方法に疑問や不満を持っているけど、医師に相談できないという方も多くいるようです。
カウンセリングを行っている場所は、不妊治療を行っている病院や、個人で開いているカウンセリングルームなどです。
自治体によっては、不妊専門相談窓口を設け、無料で相談を受け付けています。
施設によっては、電話で心理カウンセリングや不妊治療に関する相談を受けている所もあるようです。
不妊カウンセラーになりたい場合
不妊カウンセラーは、日本不妊カウンセリング学会による認定資格です。
資格を取得するためには、定められた受験資格を得て、資格試験に挑戦する必要があります。
受験資格の条件とは
下記は不妊カウンセラーの受験資格条件になります。
受験資格条件
- 受験申請時に日本不妊カウンセリング学会の会員であること
- 不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座を3回受講していること
- 初回受講から5年以内に認定を受けること
受験資格の条件は、受験申請時に日本不妊カウンセリング学会の会員であること、不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座を3回受講していることです。
さらに、初回受講から5年以内に認定を受けることが条件として課せられています。
不妊カウンセラーの資格は誰でも取ることができ、医療に携わっていない心理士や主婦でも挑戦が可能です。
資格の更新条件とは
不妊カウンセラーの資格を取得した後も、5年ごとの認定の更新が必要です。
更新条件は、定められた学会や講座へ参加し、点数を30ポイント以上取得することです。
中でも日本不妊カウンセリング学会への出席は、必須となっています。
また、学会での発表や学会誌への論文掲載でもポイントを取ることが可能です。
学会や講座へ参加することで、最新の知識を身に付けたり、異なる職場で活動するカウンセラーと情報交換ができます。
不妊カウンセラーとして活動するためには、必要な知識やスキルを身につけるための資格取得をし、プロとして日々努力を重ねる事が必要です。
看護師が不妊カウンセラーの資格を取るメリット
産婦人科や、不妊治療専門の病院で働く看護師が不妊カウンセラーの資格を取ることで、様々なメリットが得られます。
不妊カウンセラーのメリット
不妊カウンセラーのメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
メリット
- 生殖医療についての深い知識やカウンセリングスキルが身につく
- 看護師としてのスキルアップを図ることができる
- 仕事へのモチベーションが上がる
- 病院やクリニックから重宝される
- 患者からの信頼を得られる
生殖医療についての深い知識やカウンセリングスキルを身につけることで、不妊治療に携わる看護師としてスキルアップを図ることが可能です。
さらにカウンセラーとしての資格は、仕事のモチベーションへと繋がります。
また転職や就職の際に、不妊カウンセラーの資格を記載する事でスキルの証明ができます。
不妊カウンセラーの資格を持つ看護師は、看護業務だけでなく、患者へのカウンセリングも行えるので病院やクリニックから重宝されることもメリットの一つでしょう。
また、不妊カウンセラーの資格を持つ看護師ができることは、多くあります。
不妊に悩む患者からの相談や疑問に答えることで患者からの信頼を得ることができ、身につけた知識で患者一人一人の状態に合わせたアドバイスができることにやりがいを感じる人も多いようです。
体外受精コーディネーターの資格とは
不妊カウンセラーの資格を得て、さらなるキャリアアップを図りたい方には、体外受精コーディネーターの資格の取得がおすすめです。
体外受精コーディネーターは、体外受精や顕微鏡受精などの高度生殖補助医療(ART)に特化した資格です。
ARTを受ける患者に対して、正しい情報提供と心理カウンセリングを行います。
両方の資格を取得するには、1つ目の認定を受けた後に2年以上の期間をあけ、なおかつその間に1回は養成講座の受講をするという条件があるので注意です。
不妊カウンセラーの試験とは
養成講座を3回受講した後は、いよいよ資格試験への挑戦です。
不妊カウンセラーの試験内容
試験は毎年1回、12月から3月の間に行われ、会場は東京、大阪、福岡、仙台の4カ所です。
認定費用は15,000円で、試験に落ちた場合の返金はありません。
不妊カウンセラーの試験は、筆記試験と面接試験の両方を行います。
筆記試験では、生殖医療の知識や倫理、法律、カウンセラーとしての知識などを問われます。
面接試験では、患者にどのような声かけを行うかなど、カウンセラーとして必要なコミュニケーション能力を試されます。
患者の気持ちを汲み取り、前向きになれるような言葉選びが大切です。
不妊カウンセラーの勉強法&難易度とは
筆記試験、面接試験、共に養成講座で学んだ内容を中心に問題が出題されます。
そのため勉強法として、養成講座の内容の復習や、日頃から不妊治療やカウンセリング技術に関する知識を学んでおく事などが挙げられます。
なお、2020年度の東京認定試験は、新型コロナウィルスの感染拡大に伴い中止となりました。
2021年度からは、集団で行う面接試験が中止となり、新たに、これまでの面接試験に準じた内容の記述試験が実施されます。
不妊カウンセラーの試験の合格率は、50%と言われており、難易度は少し高めです。
しかし、しっかりと試験対策をすることで合格はできます。
不妊カウンセラーの養成講座とは?
不妊カウンセラーの資格試験に挑戦するための条件の1つとして、不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座を3回受講することが挙げられています。
養成講座の開催時期や費用
養成講座は、年に2回の開催なので、資格取得は最短でも1年半は、かかる計算です。
これは、不妊カウンセラーとして相談を受けるために必要な知識と技術をしっかりと身につけるためにも重要な期間と言えます。
養成講座に参加するには、事前に申し込みが必要で、料金は33,000円です。
日本不妊カウンセリング学会の養成講座
日本不妊カウンセリング学会は、生殖医療を担うヘルスケアプロフェッショナルを養成するために講座を開催しています。
そのため、講座は生殖医療関連分野で有名な多数の専門家が講師を務め、カウンセリングや生殖医療の基礎から最新の医療情報までを網羅した内容となっています。
特に最新の医療情報は、日々進化する医療技術についての知識を身につけるために非常に重要です。
このように多くの事を学ぶ講座ですが、参加するための特別な条件などの規定はありません。
実際に看護師や助産師、医師などの医療従事者だけでなく、心理士や主婦などの様々な方が参加しています。
生殖医療関連分野に携わる仕事をしていなくても、不妊に悩んでいる人のサポートをしたいと考える方なら誰でも講座に参加し、資格を取得することで不妊カウンセラーになれます。