男性看護師のイメージとは?
現代では、看護師として活躍しているのは女性だけではなく、男性であることも珍しくはありません。
女性看護師とは違った魅力を持っている男性看護師には、どのようなイメージがあるのでしょうか。
男性看護師の勤め先は精神科というイメージ
男性看護師と言えば、看護師の中でも人数が少なく、精神科や救急救命センターが配属先というイメージがありました。
主な配属先
精神科/救急救命センター/内科系/外科系
手術室/混合病棟/集中治療室/整形外科病棟
男性看護師は、女性看護師よりも力が強く、患者の身体を支える場面が多い精神科や救急救命センターなどで活躍が期待されたからです。
その後、次第に男性看護師の配属先が多様化し、内科系や外科系の病棟をはじめ、手術室や混合病棟への配属も多くなっています。
男性看護師が入院病棟で病室を回って、患者の様子を見ることも珍しくなくなりました。
また、集中治療室や整形外科病棟で男性看護師の需要も増えていると言えるでしょう。
少数派というイメージ
それでも男性看護師のイメージは、まだマイノリティという面が残っており、注射や採血を男性看護師が担当すると、患者が驚くこともあります。
看護師は患者の身体に触れる場面が多く、男性看護師から触られることに抵抗感を覚える女性患者も少なくないでしょう。
女性看護師の方が子どもの相手が得意というイメージがあり、男性看護師の小児科への配属はまださほど多くありません。
小児科や産科婦人科は若い母親など女性とのコミュニケーションが重要で、患者や家族が男性看護師には話しにくいこともあり、こうした診療科への配属が難しいと言えるのかもしれません。
男性看護師の年収はいくら?
男性看護師はどれくらいの年収を貰っているのか気になるところですよね。
ここでは、男性看護師の年収、月収について紹介していきます。
男性看護師の年収&月収
男性看護師の平均年収は、ボーナスを含めて500万円程度と言われています。
平均年収 … 約500万円
平均月収 … 約34万円
平均手取り … 約28万円
月収にすると34万円ほどで手取りが約28万円となり、ボーナスは夏冬合わせて4ヶ月分が支給される職場が多いでしょう。
基本給は24万円程度で、これに夜勤手当をはじめ精神科や集中治療室に勤務する際の特別手当が加わります。
これくらいの年収なら単身者であれば十分生活できるレベルです。
新卒や看護助手は年収200万以下?
ただし、大卒で看護師の国家資格を持っても新卒の給与は低く、年収が200万円程度というケースも珍しくありません。
看護師の資格を持たない看護助手となると、さらに年収が下がります。
もっとも、スキルアップして即戦力となれば、平均年収くらいまでは昇給するでしょう。
役職が就けば年収1千万を超えることも
ただし、平均年収に達した後は、役職にでも就かない限り、平均年収以上の昇給はあまり期待できません。
看護師の役職
- 看護主任
- 看護師長(副看護師長)
- 看護部長(副看護部長)
看護師の役職には、看護主任から始まって看護部長まで役職手当が付くポジションがあります。
都道府県によっても異なりますが、看護主任や看護師長などの役職に就いており、病棟勤務で夜勤が多い男性看護師の中には、年収1千万近い収入を得ている人もいます。
手術看護師や集中治療室勤務の看護師など特別手当が支給される看護師の給与も一般の看護師より高くなります。
この点については、男女平等の原則に基づき、男女の差はないと言えるでしょう。
優しい人に向いてる仕事
男性看護師に向いている人の性格や特徴とはどんなものでしょうか。
男性看護師に向いている人
- 他人に対する気遣い、思いやりがある
- コミュニケーション能力がある
- 人当たりが良い
傷病に悩まされる患者をケアする病棟勤務では、看護師が患者に対して思いやりを持てる人格を備えていなければなりません。
他人に対する気遣いができる男性は、看護師の仕事に向いていると言えるでしょう。
大病院のように女性が多い職場では、特に少数派の男性看護師にとって人間関係が難しく、せっかく看護ケアのスキルが優れていても、コミュニケーション能力に欠けると仕事が辛くなってしまうこともあります。
人当たりが良く他人に対して攻撃的でない男性なら、職場の人間関係を上手に築いて看護師として充実した生活を送れるでしょう。
男性看護師の強みとは
医療機関などの職場において、男性看護師の強みは女性看護師が苦手とする場面で活躍できることです。
そこで、精神科や救急救命センターなど体を張って患者を支えられる場面の多い職場で男性看護師が重宝されてきたと言えるでしょう。
他の診療科でも男性看護師が活躍するためには、認定看護師や専門看護師などの資格を取得し、特定分野の専門家として現場に貢献できるスキルを身に着けることも大切です。
また、精神科や救急救命センターで身体を張る代わりに、他の診療科では高いコミュニケーション能力を発揮して良好な人間関係を築くことが欠かせません。
男性看護師であることが、女性に比べて弱みとならないよう、優しさを発揮できる様々な工夫と努力が必要なのです。
男性看護師のメリット&デメリットとは
男性看護師のデメリット
男性看護師のデメリットとして以下のような声があります。
- 人間関係に苦労する
- 将来のライフプランに迷う
- 自分の存在価値がわからなくなる
職場の人間関係などで苦労して、仕事が辛いという悩みを持つ男性看護師も少なくありません。
将来的にどのようなライフプランを立てたら良いのかわからず悩む男性看護師もいます。
徐々に増えているとはいえ、まだ人数の少ない男性看護師は、女性の多い職場ではやりにくい場面も多いでしょう。
特に、精神科や救急救命センターなど男性看護師が活躍できる職場以外の病棟勤務の場合、自分の存在価値について悩みを持つ男性看護師は珍しくありません。
こうしたデメリットは、解決が難しい面もありますが、男性看護師ならではのメリットに目を向ければ、新たなやりがいを見つけられるかもしれません。
男性看護師のメリット
デメリットだけではなく、男性看護師にも様々なメリットがあります。
- 力仕事で頼りになる
- 身体を動かせない患者の介助を任せられる
- 患者が暴れた時など他の患者を守ることが出来る
- 女性の多い職場で人間関係の潤滑油になる
力仕事を任せられる点では、男性看護師が頼りになります。
精神科や救急救命センターだけでなく、呼吸器・循環器・脳神経の病棟でも身体を動かせない患者の介助の場面で活躍できます。
女性看護師も介助に必要なボディメカニクスなどの技術を学んでいますが、身体の大きな患者を動かす際には、ボディメカニクスだけでは対応できないことも多く、男性看護師がいると重宝されるでしょう。
患者が暴れた時なども他の患者を守るうえで、男性看護師の存在が欠かせません。
また、女性の多い職場で、少人数の男性看護師が人間関係の潤滑油の役割を果たすこともあります。
キャリアアップへの道
男性看護師のキャリアアッププランとして医療機関、また病院以外での道も考えられます。
▼看護師のキャリアアップにおすすめの記事はこちら!
どのようなキャリアアップの道があるのかを紹介していきます。
医療機関におけるキャリアデザイン
看護師は、キャリアアップの面で様々な機会を与えられています。
認定看護師/特定行為研修/専門看護師
看護主任/看護師長/看護部長
医療機関で勤務を続ける場合、認定看護師の資格を取ったり、特定行為研修を受講して医療行為を自分の裁量でできるようになったりして、職場における地位を上げていくことができるでしょう。
看護師の資格があれば、認定看護師や特定行為研修の資格を取ることも難しくありません。
看護系大学院卒業の資格を持っていれば、専門看護師になることもできます。
こうした上級資格を持つと、職場のリーダー的立場に立ち、医療現場をリードできるでしょう。
また、看護主任・看護師長・看護部長などの管理職の地位を得ることにより、キャリアアップしていくことも可能です。
病院以外の職場のキャリアデザイン
病院以外の職場に転職して、キャリアデザインを描く道も開かれています。
- 保健所 (保健師)
- 介護施設、老人ホーム、訪問入浴サービス(ケアマネジャー)
- 助産師
看護師の資格があれば、保健師やケアマネジャーといった資格も取れるので、活躍の場が保健所や介護施設などに広がるでしょう。
特に、介護現場では、老人ホームなどの居住型介護施設だけでなく訪問入浴サービスなどの業界でも看護師の求人が多く、転職先を見つけることはさほど困難ではありません。
助産師になれば独立の道も開けますが、男性看護師には少しハードルが高いと言えるでしょう。