看護観とは看護師が絶対に持つべき心得|患者に寄り添う看護とは?

看護観とは看護師が絶対に持つべき心得|患者に寄り添う看護とは?

看護観とは?

看護観とは?

看護観とは看護師が持つ「看護とは何か」や「看護師として患者にどのような看護をおこなうのか」などについての考えです。

状況や人によってそれぞれ違いはありますが、看護師としての信念ともいえます。

医師のサポート

看護師の仕事の1つに医療機関での医師のサポートがあります。

医師のサポート

  • 患者のバイタルサイン(血圧、体温、脈拍などの測定、チェック)
  • 点滴や採血
  • 手術室でのサポート
  • カルテの記載 等

具体的には患者のバイタルサイン(生命兆候)といわれる血圧や体温、脈拍などを測定し、その数値から異常がないかをチェックします。

また、点滴や採血のための注射、手術室でのサポートやカルテの記載などもおこないます。

しかし、看護師は医師に言われたことをこなすだけが仕事ではありません。

看護師自らが主体的に考え、行動していくことも看護をおこなううえで重要なことです。

医療的ケアと精神面のケア

そして医師のサポートの他に、看護師の仕事として重要なものがあります。

それは患者への医療的ケアと、患者・家族への精神面でのケアです。

ケガや病気で体が動かせない患者に対しては食事や排せつ、入浴などの身体介助や床ずれなどを防止するために体位変換をおこないます。

また、治療や手術に関して不安を抱えている患者本人や家族に対して、安心感を与えることも看護師の重要な仕事です。

それぞれ看護観の違いはありますが、看護師とは人の病気や怪我だけに向き合うのではなく、人間そのものと向き合う仕事といえるでしょう。

患者は心身ともに弱っています。

看護観を持たないということは、看護の仕事をただの業務としてこなしていくことになり危険です。

寄り添う看護とは?

寄り添う看護とは?

患者の医療的なサポートと心のケアがメインであることから、看護師が持つ看護観寄り添う看護とセットで扱われることが多いです。

寄り添う看護とは言葉通りの意味になりますが、患者もひとりひとり個性をもった人間ですので、すべての患者に寄り添うことは簡単ではありません。

ひとりの患者に効果がある言葉や接し方だとしても、別の患者には効果がない場合があるからです。

優しい笑顔

しかし、最低限すべての患者に効果があることがあります。

それは、優しい笑顔とタッチングです。

病気やケガで不安でいっぱいなとき、看護師に笑顔もなく無愛想であると不安が増加してしまいます。

逆にどんなに不安を抱えていても、看護師が優しく微笑んでくれると不安は軽減するものです。

また、もともと笑顔には免疫力アップなどが期待できます。

看護師の笑顔を見て安心し、自らも笑顔になることができれば心も体も良い方向へ向かうのです。

タッチング

次にタッチングですが看護師の仕事は、自然と患者に触れることが多くなります。

この、手を当てたりさすったりするタッチングが、重要な看護技術の1つだともいわれているのです。

タッチングの具体的効果

    • 痛みや違和感の緩和
    • 不安の軽減
    • 安心感を与える
    • 信頼関係、相互理解の構築 等

具体的な効果として、痛みや違和感を緩和させたり不安を解消して安心感を与えたり、患者との信頼関係や相互理解を促すことにも繋がります。

寄り添う看護とは患者に寄り添いたいという気持ちと笑顔、タッチングをベースにしていけば、どんな形であれ、いずれ伝わるものです。

ヘンダーソンから学ぶ看護観

ヘンダーソンから学ぶ看護観

ヴァージニア・ヘンダーソンはアメリカの看護理論家で、看護教育の指導者としても有名です。

彼女の遍歴は下記のとおりです。

ミズーリ州のカンザスシティに8人兄弟の5番目として生まれ第1次世界大戦で兄弟が従軍したことをきっかけとして、彼女も何かの役に立ちたいとワシントンDCのアメリカ陸軍看護学校に入学。

卒業後はワシントンDCのヘンリーストリートのセツルメント(貧しい人のための宿泊所などの設備)の公衆衛生看護師や、訪問看護師として活躍します。

その後、ノーフォーク・プロテスタント病院に就職し、ヴァージニア州で初めての看護技術指導者となったり地域の保健看護システムの立案に関わったりもしています。

コロンビア大学でも学び、1934年には看護教育で修士号も取得。大学で教壇にも立ちました。

彼女の著書「看護の基本となるもの」では、人間の基本的欲求(ニード)があげられています。

正常に呼吸することや適正に飲食するなどの身体的なものの他に、気分を表現して他者とのコミュニケーションを持つことなど、精神面についても書かれています。

健康を害された人は自分で欲求を満たすことができないため、看護師はこれらすべてを支援するものだとしているのです。

日本でもヘンダーソンから看護観を学んでいる人が多くいます。

急性期・回復期の看護観

急性期・回復期の看護観

看護観はそれぞれの看護師によっても、環境によっても異なるものです。

患者の症状によっても看護観は変わります。

患者は大きく急性期回復期慢性期の3つに分けられます。

急性期の看護観とは

急性期・・・病気になり始めた時期や、ケガをしたばかりの時期

病気やケガの症状が多く現れ急激に変化しますので、患者にとっては身体的にも精神的にも1番辛くきつい時期といえます。

急性期の患者に関わる看護師には、変化する状態に対応すべく的確な状況判断や素早い対応、患者の身体的・精神的なケアが求められます。

したがって急性期の患者を担当する看護師には「患者の立場に立ち適切な処置と、安心を与えられる看護を」という看護観を持っている人が多いです。

回復期の看護観とは

回復期・・・患者が危機的な状態を乗り越えた時期

多くの患者はリハビリをおこない治癒を目指します。

病気やケガがよくなり命は救われましたが以前の様な生活ができなくなった人も多く、生き甲斐を失ったという患者もいます。

この時期の患者を担当する看護師には、「笑顔で接し、少しでも患者が生きがいを感じられる看護を」という看護観を持っている人が多いです。

慢性期の看護観とは

慢性期・・・病状などが比較的安定している時期

再発の予防と体力をつけるなどの治療のほか、生活習慣病などで入退院を繰り返す患者も多いです。

長期にわたる治療がほとんどで、患者の気分が後ろ向きになりがちな時期でもあります。

慢性期の担当看護師は「患者の心に寄り添い、焦らず患者の社会復帰を促す看護を」という看護観を持つ人が多いです。

精神科での看護観

精神科での看護観

看護観は診療科によっても違いがあります。

精神科は心の症状を扱う科で、不安や落ち込み、イライラなどの気分的な症状や幻覚・幻聴などの精神症状、物忘れなどの認知的な症状も扱っています。

看護に関しても内科や外科のように身体的な症状を中心とするのではなく、心の症状を中心とするのが精神看護です。

精神看護学は心の健康問題や病を持った人が、自分らしい生活を取り戻すための看護的な支援方法として、各大学でも学ばれています。

精神科での役割

精神科での看護師の役割は、患者に対してコミュニケーションによる心理的なケアが中心となります。

精神科に入院する患者の治療には薬物治療が一般的となりますが、精神疾患がある患者への与薬は困難です。

また、自分の症状を的確に伝えられない患者も多々います。

精神科看護師は担当患者とコミュニケーションを取り、心理的なケアをすることによって患者との信頼関係を築き、患者が伝えられない症状も見抜くことも求められます。

したがって、精神科の看護師の看護観は身体的な症状を中心に扱う看護師とは異なる人が多いです。

たとえば、「自分の価値観にとらわれることなく、患者の話を受け入れて共感する看護を」など、患者の精神面に寄り添うことを中心とした看護観を持った人が多くいます。

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