看護師の手取り額は高い?
看護師は給料が高いというイメージがありますが、どのくらいの給料なのでしょうか?
ここでは、看護師の給料や、手取り額について紹介していきます。
手取り額とは
『手取り額』とは、基本給に手当などを足した支給額から所得税などの税金や社会保険料などを引いた金額で、実際にもらえるお金です。
手取り額は、支給額よりも2割ほど少なくなるようです。
看護師の平均給料/手取り
看護師の平均給料… 33万円
看護師の平均手取り… 26万円
看護師の平均の給料は33万円となっており、手取りの平均値は26万円です。
男性看護師の手取り
20代前半…約22万円 30代後半…約28万円
50代後半…約33万円 中央値…28万円
男性看護師の手取りは、20代前半では22万円ほどですが、30代後半になるとおよそ28万円、50代後半には33万円まで上昇します。
女性看護師の手取り
20代前半…約22万円 30代後半…約26万円
50代後半…約25万円 中央値…26.5万円
一方女性看護師は、20代前半では男性と同じ22万円で、30代後半ではおよそ26万円、50代後半ではおよそ25万円となっています。
男性看護師は年齢と共に給料が増えていくのに対し、女性看護師は増えるどころか50歳後半になると下がっています。
男性の方が高い理由は、管理職になり基本給が増えることで手取り金額も増えたのではないかと推測されます。
看護師のボーナスは高い?
看護師のボーナスは、仕事の経験年数によって支給額が増えていく傾向にあります。
冬のボーナス
経験年数1〜4年 約36万円
経験年数5〜9年 約39万円
勤続年数15年以上 約46万円
厚生労働省の「平成29年度賃金構造基本統計調査」によると、看護師の冬のボーナスは下記のような金額となっています。
経験年数が1〜4年ではおよそ36万円、5〜9年ではおよそ39万円、15年以上では46万円ほどになっています。
2017年では前年よりも3%ほど増えておよそ38万円でした。
これは様々な業種よりも高い金額になっているようです。
夏のボーナス事情
看護師の夏のボーナス支給額は、2018年ではおよそ38万円です。
それ以降も増えると予想されましたが、2020年ではコロナの影響もあり、大きくは上昇していないようです。
この年の夏のボーナスについて、看護師にとったアンケートによると「全く支給しない」「前年よりも減った」という意見もある中、前年とあまり変わりなく支給する病院もあるようです。
夏+冬のボーナス相場
夏と冬に支給されるボーナスを合計すると、下記のような金額となります。
20〜24歳 約68万円
25〜29歳 約74万円
30〜34歳 約80万円
年齢ごとに増えていますが、特に男性の支給額が上がるためこのような結果になったようです。
2018年から過去5年間にわたる看護師へのボーナス平均支給額は、およそ40万6000円でした。
大手企業の場合、支給されるボーナスは伸び悩んでいましたが、病院の場合、大きく落ち込むこともなく安定して支給されていたようです。
看護師1年目はボーナスもらえる?
新人看護師は、4月に入社してしばらくすると夏のボーナスが支給される時期になります。
多くの人がボーナスの支給を期待すると思いますが、新人看護師のボーナス事情はどうなのでしょうか。
新人看護師ももらえるの?
入職してから最初の夏の賞与は、満額で支給されることはないでしょう。
満額で支給されるのは、その年の冬の賞与からになります。
夏の賞与は、その前年の冬の賞与が出された後から、翌年の夏の賞与までの期間が査定対象です。
入職して間もない新人看護師は、査定期間が短いこともあり満額支給はされないのです。
新人看護師のボーナス
新人看護師のボーナスは下記のようになっています。
夏 約10万円
夏+冬 約18万~40万円
全く支給されないという病院はあまりなく、ほとんどの病院では10万円前後の支給があるようです。
また、その年の冬の賞与では満額の支給が見込めるでしょう。
ボーナスの手取り金額
賞与の手取り金額は、社会保険料と源泉徴収税を引いたものが手取り額となるので、額面とは大きく変わってしまうこともあります。
そのため、手取りだと10万円をだいぶ下回る金額です。
看護師賞与が上がるのは勤続年数?
基本的に看護師がもらう賞与は、能力給によるものではなく働く年数が関わっています。
多くの病院では勤続年数が1〜4年、5〜9年の期間で大きく賞与が上がる傾向があるようです。
病院によっても大きく違う
賞与の支給額は、大きな病院では40万円近くの金額を支給されることもありますが、20万円に満たないこともあります。
入職して5年目の場合、勤務する病院の規模などにもよりますが、賞与額は60〜70万円といったところでしょう。
日勤のみだと手取りは少ない?
看護師はハードワークが多く、夜勤シフトも月に数回経験することになるでしょう。
夜勤をすることで給料は大きく上がりますが、日勤だけだと給料はあまり期待できません。
夜勤をした回数にもよりますが、夜勤なしの場合では月に5万円以上も給料下がることになります。
日勤のみ・夜勤ありの平均年収
日勤のみと夜勤ありの平均年収は下記のようになっています。
日勤のみ 平均年収 約410万円
夜勤あり 平均年収 約480万円
日勤のみの平均年収はおよそ410万円とされていて、夜勤ありの場合と比べて約70万円低くなります。
年収を上げるには
夜勤をする以外で、年収を上げる方法として下記のようなことが挙げられます。
転職する
今の職場よりも、給料の高い病院へ転職すれば、年収を上げることは可能です。
年収を上げたいのなら、最も早い方法といえるでしょう。
しかし、高収入の求人を募集している職場では、激務であったり人手が極端に少ないこともあるので注意が必要です。
資格を取得する
『認定看護師』や『専門看護師』などの専門性の高い資格を取得することで、基本給に資格手当がプラスされ給料が増えることもあります。
しかし、これらの資格は難易度が高く、取得するには時間や費用が掛かります。
また、手当の金額も3,000~10,000円ほどとなっています。
そのため、手当のためではなく、看護師としてのスキルアップのために取得することをおすすめします。
勤続年数を重ねる
勤続年数を重ねることで指導できる立場になれば、基本給をあげることも可能です。
子育てしながらの働き方
育児をしていたり、家庭の事情によって日勤のみで働きたいという人もいるでしょう。
日勤だけで働きたい場合には、下記のような勤務先があげられます。
- 病院の外来
- クリニック
- 健診センター
准看護師の手取りはさらに低い
ここからは、准看護師の給料について見ていきましょう。
准看護師の給料
厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、准看護師の給料は下記のようになっています。
平均月収…約28万円
月収手取り…約22万円
平均年収…約355万円
受け取る手取り額は月収の約80%なので、手取りの相場は22万円ということになります。
正看護師の手取りは26万円くらいなので、4万円ほど低くなります。
アルバイト/派遣の働き方
准看護師には、アルバイトや派遣という働き方もあります。
アルバイトや派遣の時間給は下記のようになっています。
准看護師平均時給
アルバイト 約1400円
派遣 約1700円
正社員以外での働き方も、自分のライフスタイルに合わせて選んでいきましょう。
准看護師正社員の年収
准看護師の正社員の年収は、305万円から888万円と大きく幅があります。
勤務する施設や経験年数、働く人のスキルによって大きく差が生じるようです。
一番分布する人が多いのは305万円から378万円で、平均年収355万円もここに含まれています。
年齢別平均年収の分布
年代別の年収は、下記のようになっています。
20〜24歳…約288万円(月収が約22万円、ボーナスが27万円)
30〜34歳…約362万円(月収26万円、ボーナス53万円)
50〜54歳…436万円(月収30万円、ボーナス76万円)
正看護師と比べると、低い金額と言えます。
平均年収が高い地域/低い地域
一番高い ↑ 東京都 422万円
一番低い ↓ 宮崎県 269万円
准看護師の平均年収は地域によって異なっています。
その中で一番高いのは関東地方で、東京都は422万円となっています。
一番低い都道府県では、宮崎県の269万円で、東京都と比べると153万円の差がみられます。
年収を高くするには
准看護師が年収を高くするためには、ボーナスをもらうことが必要になってきます。
それにはやはり正社員として働く必要があります。
また、上記で紹介したように、地域ごとで年収に大きな差があります。
そのため、より条件の良い職場への転職をするのも良いでしょう。