新人作業療法士の悩みとは
作業療法士として働きだして1年目の新人の場合「学校で学んできたこと」と「実際の現場で仕事をすること」へのギャップに多くの悩みが出てきます。
患者への指導が難しい
特に難しいのは、患者さんへの指導を行うことです。
作業療法士が指導を行う対象となる患者さんは、認知症など精神に障害がある方、事故やケガの後遺症により身体に障害が残ってしまった方など、様々な疾患を持っています。
さらに、患者さんの年齢は、子供からお年寄りまで幅広くそれぞれの患者さんに合わせた指導が必要です。
患者さんに合った訓練プログラムを考え、リハビリを行う必要性を理解してもらうことは大変で「作業なんて意味がない」などと言いリハビリをしてくれない患者さんもいます。
常に勉強する必要がある
また、先輩たちとの話し合いや情報交換の際に、話についていけず、もっと勉強しなければいけないという不安や焦りを抱える新人も多いです。
作業療法士として一人前になるためには、勉強会に出席して知識を深めたり、実際の現場で経験を積んだりしていくことが大切です。
多くのベテラン作業療法士も常に経験を積み重ね、勉強を行い、自身の知識を最新のものへとアップデートしています。
多くの努力と自己研磨を行うことでより一層作業療法士として腕に磨きをかけています。
作業療法士の辞めたい理由とは
医療業界や介護業界での需要も多く、安定した職業である作業療法士ですが「仕事を辞めたい」または「作業療法士になるのはやめとけ」と言う人も多くいます。
第一位 給料が低い
仕事を辞めたい理由として第一位にあげられるのは給料が低いことです。
比較的、仕事の求人も多く、安定した仕事である作業療法士ですが、看護師などの医療従事者に比べ給料は低めです。
管理職などの役職へ就くことで昇給することは可能ですが、役職につけるのは一部の人間だけです。
また、職場によっては、さらなる専門資格を取得することで手当ての支給を行うところもあります。
第二位 忙しい
次に、作業療法士を辞めたい理由の第二位は、忙しすぎるということです。
業務内での仕事量が多く、残業をしなければならない職場も多く存在します。
第三位 人間関係が悪い
第三位の理由は人間関係が悪いことです。
医師や看護師など他職種と関わることも多い職場なので人間関係も複雑化しやすくなります。
さらに、忙しい仕事なので、人間関係に気をつかう余裕がなく、ギスギスしてしまいがちです。
第四位 休日が少ない
休日が少ないというのが作業療法士を辞めたい理由の第四位になります。
職場での人手不足などの理由により、勤務日数を増やさなければいけなかったり、休日も勉強会への出席をしなければならなかったりする場合が少なくありません。
ゆっくりと休める休日が少なく「疲れた」と感じる方も多いようです。
第五位 やりがいを見いだせない
最後に、仕事内容にやりがいやおもしろさを見いだせないということが第五位の理由としてあげられます。
理学療法士というと社会貢献度が高くやりがいのある仕事だと思われがちですが、実際の仕事の本音として単調な仕事の繰り返しでつまらないと感じる方もいるようです。
作業療法士おすすめの転職先とは
一般的な作業療法士の転職先として病院や介護施設などがあります。
職場によって給与や福利厚生などといった条件は異なります。
訪問リハビリテーション
例えば、体力に自信があり、給与の高いところで働きたいなら、訪問リハビリステーションがおすすめです。
訪問リハビリステーションでは、作業療法士が利用者の自宅へ行き、リハビリなどの作業を行います。
訪問件数に応じて給与が上乗せされるインセンティブ制を導入している事業所なら、自分のがんばり次第で給与がアップします。
毎回、利用者の自宅に訪問する必要があるので体力がある方に向いています。
入院設備のないクリニック
また、忙しすぎるのが嫌で少しでも楽をしたいなら入院設備のないクリニックがおすすめです。
入院設備のないクリニックなら、勤務時間や休診日が決まっており、日勤勤務のみを行うことができます。
子育てなどで家庭のことが忙しい作業療法士の方にピッタリの職場です。
ただし、夜勤や遅出などがない分、給与は少なめとなっています。
一般企業
他に「自分は作業療法士に向いていない」「作業療法士とは違う異業種へ転職したい」と言う方には、一般企業で働くという選択肢もあります。
実は、作業療法士としての経験を生かして一般企業で働くことは可能なのです。
一部の企業では、作業療法士を歓迎し、求人を積極的に行っています。
▼作業療法士の就職先についての記事はこちら
企業で働く作業療法士のメリット＆デメリット
作業療法士を歓迎している企業として、介護や医療などの福祉用具メーカー、スポーツメーカーなどがあります。
メーカーでの仕事内容
メーカーでの仕事内容は病院や介護施設への自社製品の紹介、アフターフォローなどを行う法人営業です。
会社の売り上げや利益を担う営業職は企業の花形と呼ばれています。
企業で働くメリット
企業で働く作業療法士のメリットとしては、作業療法士としての知識や経験を生かして商品の詳しい説明を行うことができ、顧客からの信頼を得やすいということです。
また、営業職では、自分の頑張り次第で給料をアップさせることが可能です。
多くの企業では、インセンティブ制を導入しており、契約件数が増えるほど、もらえる報酬は増えます。
企業で働くデメリット
一方、デメリットとしては、営業職について最初から学ぶ必要があるということがあります。
しかし、営業経験がなくても入社後の研修や、先輩からの指導などにより営業スタイルを学んでいくことができるので安心です。
営業職の本音
営業職として一般企業で働く作業療法士の仕事の本音として、ストレスが溜まることが挙げられます。
楽な仕事内容ばかりではなく、顧客からの無茶ぶりやクレーム対応などの精神的ストレスを受けやすい大変な仕事内容もあります。
そのため、うまくストレスを溜めないように仕事をしていくことが大切です。
作業療法士の転職が上手くいくポイントとは
作業療法士の転職を成功させるポイントはいくつかあります。
条件を決めておく
まずは、転職先に求める働き方や給与に関しての条件をはっきりとさせておくことです。
年収は最低でもどのくらい欲しいか、勤務形態は日勤のみ、夜勤は週２回までなどをあらかじめ決めておくことで転職先をある程度しぼることができます。
求人が増えるタイミングで就活を行う
転職時期や就活を行うタイミングも非常に重要です。
転職時期としておすすめは、求人数の増える1月と８月になります。
退職者の多くは夏や冬のボーナスをもらってから職場を辞めるため、ボーナス後のこの時期は人員を補うための求人が多く出ます。
たくさんの求人の中でより良い条件の転職先を見つけやすくなります。
退職の3ヶ月前から就活を行う
なお、就活を行うタイミングとしては、退職予定日の３カ月前が好ましいです。
履歴書の送付や面接などを行うには、最低でも1週間は必要で、面接後の採用通知を受けるまでさらに1週間はかかり、スムーズに転職活動を行ったとしても全部で２週間はかかります。
複数の求人への応募、不採用などを考えるとやはり、退職予定日の3カ月前のタイミングがベストです。
職場を見学しておく
その他にも、実際に転職先となる職場を見学しておくことも非常に大切になります。
見学のポイントとしては、職場の雰囲気やスタッフが元気で働いているかなどをチェックする事です。
見学時に転職理由を聞かれることも多いので、しっかりと答えられるようにしておきましょう。
