退職の流れや伝え方のポイント
転職、転居、結婚など様々な理由から退職を決断することがあります。
ただし、退職をするからといって、職場の雰囲気や人間関係を壊してまで去りたくはないですよね。
職場に波風を立てず円満に退職するためにはどのようにすればよいかをご紹介します。
基本的な流れ
看護師が退職するときにはどのような流れで手続きを進めていくことになるのでしょうか。
- まずは看護師長などの上司に退職願を提出して受理してもらいます。
- そして、退職までに自分が担当してきた業務の引継ぎを行い、事務担当者に退職に際して受け取ることになる書類を準備してもらいます。
- 退職日が来たら書類を受け取ってしまえば手続きは終わりです。
ただ、実際には上司への伝え方がとても重要で、円満退職できるかどうかを大きく左右します。
伝えるタイミング
上司に話を切り出すタイミングはできるだけ相手が忙しくない時間を見計らうのが適切で、余力がありそうな曜日や時間を見極めましょう。
職場によって仕事の忙しさの波にはかなり違いがあるので一概には言えないですが、夕方の外来が終わった後くらいが落ち着いている傾向があります。
月曜日や休診日の翌日は混み合って忙しいことが多いので、他の曜日を選ぶのが無難です。
そして、話の切り出し方はいつもにもまして真剣な表情で退職することを伝えます。
理由を聞かれることが多いですが、詳しい話はせずに個人的な事情があって辞めるというのが事を荒立てなくて済むので無難です。
夫の転勤などといったやむを得ない理由なら率直に伝えても問題ありません。
退職理由の例文
看護師に限らず、どのような職種であってもよく退職理由として挙げられるのは「一身上の都合」です。
退職願の例文としては以下のようなものが挙げられます。
この度、一身上の都合により来たる○○年〇〇月○○日をもって退職いたします。
これは定型句ともいえるものなので悩んだらこのまま使ってしまっても問題はありません。
直接理由を聞かれた場合
ただ、実際には上司にどうして辞めるのかと理由を聞かれるでしょう。
その際には下記のような説明をすると良いでしょう。
- 「家庭の事情により仕事を続けるのが難しくなってしまいました。」
- 「夫の転勤で遠くに引っ越すことになりました。」
- 「親と同居することになって実家に戻ることになりました。」
基本的には家庭の事情などプライベートのことが関わっていてやむを得ないものだと皆が納得する退職理由にするのが大切です。
本音と建前を使いこなす
本音は仕事が嫌になってしまったからだったとしても、建前をして誰もが仕方ないと思ってくれるような説明をしましょう。
あくまで円満退職にするのが大切だと考えて、ネガティブな印象を持たれてしまうリスクがあるようは発言は控えることが必要です。
ただし、引っ越すと言ったのに同じ場所に住んでいるのを見つけられてしまったといったトラブルもあるので嘘はつかないようにしましょう。
職場の近くに住んでいるのに、引っ越しを理由にするのはリスクが高いため、あまりおすすめは出来ません。
引き止められるケースとは?
退職願を出して引継ぎをしたらすぐに辞められるだろうと思っていたら、引き止められてしまってなかなか辞められないケースもあります。
人手不足の場合
引き止めに遭うケースとして典型的なのが人手不足で一人でもいなくなるのが辛い場合です。
病院では看護師が不足していることが多く、穴埋めになる看護師を募集しようとしてもなかなか応募者がいなくて困ってしまうこともあります。
既に残業などが多い状況の現場の場合には常に人材募集をしているのに応募者がいないこともあり、何とかして引き止めたいという気持ちが生まれがちです。
そのため、せめて部署移動で対応できないかとしつこい交渉されることもありますが、引越しなどを理由にしてはっきりと断ることで対策しましょう。
悩む様子を見せてしまう引き止めの交渉が長引きがちなので、最初から明確に意思表示をするのが正しい断り方です。
パワハラまがいの引き止め
また、パワハラまがいの引き止めのケースもあります。
そのような場合には直接やり取りをしてもあまり意味がない場合が多いので、他部署の上司に相談してみましょう。
相談室がある施設なら相談員に話をして、別の経路で話を進める手はずを整えてもらうことも可能です。
ハラスメント被害は自分だけで克服するのは難しいので積極的に第三者に相談しましょう。
退職代行サービス
また、一つの手段として退職代行サービスを利用するのもおすすめです。
法律では、労働者には自由に退職ができるため、よほどの理由がない限り退職が出来ない状況にはなりません。
ただし、ハラスメントのように直接上司に伝えにくいケースでは退職代行サービスのような第三者機関に依頼することも有効です。
看護師の退職理由ランキング
看護師の退職理由をランキング形式で確認してみましょう。
1位 結婚
色々な統計調査の結果を見てみると、トップに君臨しているのは結婚です。
結婚で生活の形が変わるのは確かで、引っ越すこともあるでしょう。
本音でも建前でも使いやすい理由なのでよく上司への説明にも使われています。
2位 出産・育児
二位になっているのが出産や育児です。
出産を前にして退職するケースもありますが、育児休暇を取った後で退職するというやり方をしている人も少なくありません。
当初は両立しようとしていたけれど、実際には難しいとわかって退職している場合が多くなっています。
3位 人間関係
三位に上がっているのは人間関係の問題です。
職場入りをしてから半年から一年くらいで退職しているときに多いのが人間関係の悩みで、上司や同僚、あるいは医師などとの関係をうまく形成できなくて退職している看護師もいるのです。
4位 労働時間
四位は労働時間の長さで、残業が多いことや休日出勤があること、夜勤が辛いことなどが挙げられています。
若いうちは頑張れていても体力的にきつくなってきたから辞めるというケースもあります。
5位 体調不良
そして、五位は体調の不良で、夜勤による生活の乱れや仕事に付随するストレスが原因として挙げられているのが一般的です。
面接で退職理由を聞かれたら
退職して新しい職場に転職するときには、面接を受けて内定をもらう必要があるでしょう。
その面接では退職理由を聞かれることがしばしばあります。
嘘とネガティブを避ける
面接での対応では嘘をつかないのが原則ですが、さらにネガティブな発言は避けるのが肝心です。
新しい職場で学んできた知識や経験を生かしたいというストーリーにするなら、今までの職場に比べて新しい職場がどれだけ魅力的なのかを説明することが必要になります。
例文としては下記のようなものが挙げられます。
「今まで大病院で働いていましたが、一次治療でもっと力を発揮したいと考えて退職しました。こちらのクリニックは地域に根付いているとお聞きしています。この現場で今まで培ってきたコミュニケーション能力を生かして貢献をしていきたいと考えています。」
体調不良や職場の人間関係などが原因で退職したときには本音を言わずに建前で答えるようにしましょう。
短期間での退職は注意
短期間での転職になっている場合には転職理由を聞かれる可能性が高くなります。
前職の在籍が短かったのは家庭の事情などのやむを得ない理由だったと説明できるようにしておくのが無難です。
納得してもらえるように一貫性のある説明をすることを心がけ、何度か練習してから面接に行くようにしましょう。