看護師になりたい理由とは?
一般的に、「安定した職業」、「給料が高い」というイメージのある看護師。
こういったイメージから看護師を目指す人が少なくないそうです。
確かに看護師の資格を取れば、病院を辞めたり、長いブランクがあっても復職できるため、職に困らないという観点からは安定していると言えます。
しかし、給与の面では、個人の価値観の違いもあるためか「少ない」と感じる人も多いそうです。
では、なぜ看護師になりたいのか。
人の役に立ちたい
看護師になりたいという人の中で、志望理由として最も多いのが、「人の役に立ちたい」という理由です。
病気や怪我で苦しんでいる人の支援を行い、医師の治療のサポートを行うということは、責任ある仕事であり、社会的意義も大きい仕事です。
誰かの役に立ちたい、やりがいのある仕事をしたいと強く思っている人が看護師を目指す傾向にあるそうです。
テレビドラマで魅力を感じる
もっと身近なところでは、看護師を主人公にしたテレビドラマもたくさんあり、下記のようなことから、充実した社会生活が看護師の魅力と感じ、看護師を目指す人もいます。
・看護師の日々の奮闘がありながらも充実した仕事ができる
・患者さんとのコミュニケーションを通して信頼関係が築き上げられる
また、かっこいい医師と看護師が病院内で恋に落ちるというドラマもあり、単純に医師との恋愛を夢見て看護師を目指す人もいるそうです。
頭が悪いけど看護師にはなれるの?
「看護師は馬鹿でもなれる」と言われることがあります。
しかし、看護師になるためには国家試験の看護師試験に合格し、国家資格である「看護師資格」を取得しなければなりません。
学校に入学する必要がある
看護師資格を取得するためには文部科学大臣指定の4年制大学や3年制の短大、看護専門学校で専門のカリキュラムに沿って勉強する必要があります。
通信講座などは無いため、必ずこれらの学校に入学しなければなりません。
看護師に必要な偏差値とは
4年制の国立大学になると、入学するためには偏差値50〜60が必要と言われていて、決して低くはない偏差値です。
私立の4年制大学でも偏差値40〜50は必要と言われています。
3年制短大では45〜55の偏差値、看護専門学校でも45〜55の偏差値が必要と言われていて、誰でも入れるというわけではありません。
看護師国家試験の合格率とは
これらの学校で勉強した後、国家試験を受ける流れとなりますが、看護師国家試験は毎年2月に開催され、大体毎年5〜6万人が受験しています。
合格率は毎年90%前後で推移しているため、大学、短大、専門学校でしっかり勉強すれば合格できる試験であることが分かります。
看護師になるためには、頭の良さというよりも「看護師になる」という目標を定めて、そこから逃げず、しっかりと勉学に励む精神力の方が必要と言えそうです。
高校生の看護師になりたい理由とは?
高校生の場合、自分が病気や怪我で病院に行った時に、看護師に親身に介抱してもらったり、精神的なサポートをしてもらった経験からそれが志望理由となる人が多いです。
優しい看護師に憧れる
自分が苦しい状況に置かれている時に、優しくサポートしてもらった時に、感謝の気持ちと同時にその姿が憧れや自分の目指すべき姿になり、目標となります。
「今度は自分が苦しんでいる人の助けになりたい」と思う気持ちが正看護師を目指す理由になった人が多いです。
漠然とした将来のため
しかし、実際のところ高校生の時点で明確に「将来はこれになりたい」と決断して大学を決めたり、進路を決める人はごく一部です。
将来が漠然とした中で、国家資格である看護師になれば将来何かあっても職に困ることはないだろうという親の勧めなどで、看護学校を志望する人も少なくありません。
そのため、看護学校志望理由や志望理由書に書くことが思いつかないという人もいます。
このような場合には、志望の看護学校の特性から自分の目指す看護師像が実現できると感じたなど、志望校と自分の目指す姿をうまく合わせて答えると良いと言われています。
正看護師を目指す人が多い
前述したように、看護大学はじめ、看護系の短大、専門学校もある程度の偏差値がないと入学することが難しいです。
相応の努力をして入学すること、厚生労働省が看護師・准看護師を一本化していく流れにあることから、准看護師ではなく正看護師を目指す人が多いです。
どんな看護師になりたいか
医師との恋愛を夢見て看護師になりたい人、国家資格で安定した職業だから看護師になりたい人など一見純粋な動機ではないように思えます。
しかし、人の命を預かる責任の重さ、小さなミスも許されない緊張した医療現場、第一線で人の生命と生活を支える社会的意義などを考えない人はいません。
高い専門性を身につけ、責任ある仕事を正確に遂行し、人々の命を守ることが看護師として働く意義となります。
面接で必ず問われる
看護系の学校に入学する時、卒業して看護師として就職するときには面接で必ず、「どんな看護師になりたいか」という質問が問われます。
そのため、看護師になりたい理由も合わせて、公の場で述べることができるよう準備しておかなければいけません。
自分の看護観を明確にしておく
看護師になりたい理由を述べるためには、看護師として患者にどのような看護を行うかという看護観を明確にしておく必要があります。
10年後の自分がどうなっているのかを想像します。
10年後の自分がどんな看護師として働いているか、具体的な将来のビジョンとして下記のような例が挙げられます。
「患者だけでなく、その家族にも寄り添えるような看護を行う」
「患者との信頼関係を第一に考え、安心して療養してもらえる看護を行う」
面接では、自分の経験則に基づいて、「こういった経験から、自分はこう感じ、こうなりたいと思うようになった」という答えが求められます。
看護師になるためにかかる費用とは?
看護学校によって学費は様々です。
看護大学の学費
看護大学では、看護の専門知識以外にも一般教養なども学ぶことができ、学費は国立の看護大学で総額約250万円、私立では400万円〜700万円かかると言われています。
看護専門学校の学費
看護専門学校では、看護師になることに特化していて、大学で学ぶよりも実技や実習が多いことが特長として挙げられます。
学費も大学に比べると安い傾向にあります。
国公立の専門学校の学費総額は約60万円、私立の専門学校では約250万円と言われています。
看護系短大の学費
3年制の看護系短大は、一般教養と専門知識の両方が学べるという利点がありますが、短大の数が年々減少傾向にあります。
国公立の短大は約250万円、私立短大では約400万円がかかると言われています。
奨学金制度の注意点
また、奨学金制度をうまく使えば、学費がかからずに済むことがあります。
奨学金の中には、看護師の資格取得後は決められた医療機関に一定期間勤務することを条件に、奨学金の返済が全額免除となるケースが多いです。
しかし、ここで注意したいのは、奨学金には将来返還が必要な「貸与型」と返還が不要な「給与型」があるため、奨学金の種類には十分な注意が必要です。
奨学金の返還は不要と思っていたのに、実際には免除となっておらず給与から天引きとなっている場合もあります。奨学金の種類をよく確認することが必要です。