救急救命士の仕事とは?
救急救命士の主な仕事内容は、救急車に同乗し、患者を病院に搬送している最中に患者に対して、適切な応急処置を行う事です。
救命は一秒毎に患者の状態が急変する場面が多いため、常に患者のバイタルなどに気を配りながら病院まで搬送する重大な役割を担っています。
救急救命士ができること
基本的には救命処置である特定行為ができます。
特定行為は21区分38行為あり、心肺停止時の蘇生手段である電気ショックや、点滴、気道確保などが特定行為にあたります。
しかし、基本的に救急救命士は医師の指示を受けてからでないと特定行為ができないので注意が必要です。
救急救命士が働く現場
基本的に出動命令がない場合は病院勤務ではなく、消防署勤務となっています。
出動命令以外の主な仕事
- 救急車の整備
- 安全確認
- 書類整理などのデスクワーク
待機時間中は救急車の整備や安全確認の他、デスクワークなどの業務があります。
救急救命士の就職先
基本的には消防署の勤務になるので、消防官採用試験に合格する必要があります。
必要な資格については下記で詳しく紹介していきていと思います。
そして、晴れて救急救命士として働き出す就職先として、多くの場合は消防署を目指すことになります。
活躍の場
- 消防署
- 警察署
- 公務員
- 自衛隊
- 海上保安官
しかし、数は少ないですが、警察署など、いくつかの公務員、自衛隊や海上保安官として就職し、活躍する場合もあるようです。
救急救命士に必要な資格とは?
救急救命士に必要な資格は消防官として5年以上の実務経験を経験した後に、養成所にて6ヶ月以上の講習を受ける事で得られる国家試験に受かる事です。
この他にも救急救命士の大学や専門学校などの養成所の修了課程を得る事が条件です。
救急救命士になるための主なルート
救急救命士になるためには、主に2つのルートがあると言われています。
ルート1
高校卒業 → 養成課程のある大学、専門学校 → 救急救命士の国家試験受験 → 消防士採用試験 → 合格 救急救命士
ルート2
高校卒業 → 一般大学、短大、専門学校、独学 →消防士試験 → 消防官(救急隊員)としての実務経験を経験(5年以上or2000時間) →養成所で6ヶ月間以上の講習 → 救急救命士の国家試験受験 → 合格 救急救命士
高校を卒業後に養成課程がある大学、もしくは専門学校へ進学するルートと、一般の大学、短大、専門学校に進学するルート、そして高校卒業後独学で勉強をして直接消防士採用試験を受ける方法などがあります。
指定外の一般大学へ進学した際には救急救命士の国家試験は受けられず、先に消防士採用試験に合格して消防官として実務経験を積む必要があります。
そして指定の養成所にて6ヶ月以上の講習を受けた後に、救急救命士の国家試験を受けなければいけません。
また、通信課程もあり、消防官として働きながら救急救命士に関する知識を学ぶ事ができます。
救急救命士になるための最短ルート
最短のルートは高校を卒業後2年制の専門学校に進学をする事です。
専門学校を卒業してすぐに、救急救命士の国家試験を受け、その後消防士採用試験を受験するのが最も早く救急救命士として働く事ができます。
しかし、最短で目指す際には専門学校を卒業後すぐに救急救命士の国家試験と消防士採用試験を受験しなければいけないため、難易度は高くなっています。
救急救命士のお給料は高い?
救急救命士のお給料は高いのでしょうか?ここでは救急救命士の平均的な年収を紹介していきます。
救急救命士の平均年収とは
救急救命士の平均年収はおよそ700万円となっており、年収1000万に到達するのは難しいとされています。
また、一般的な手取り額は30万円~35万円となっており実務経験などによって多少異なります。
救急救命士
平均年収…約700万円(20代~24歳 約400万円)
平均手取り…約30万円~35万円(20代~24歳 約25万前後)
しかし、国家資格を取得してからの給料を見ると一見安いように感じますが、安定した収入や、手当が厚い事から、取得しても損はありません。
20~24歳での年収がおよそ400万で月の給料が25万前後となっています。
この数字はあくまでも目安となっており、勤務する場所などによって大きく異なります。
やはり、20~24歳の年収が一番安くなっていますが、これは新人であり実務経験などが少ない事が理由となっています。
年収をアップさせる方法
救急救命士にも役職は存在します。
年収が最も多いのが50~54歳となっており、実務経験の豊富さや新人教育、現場を取り仕切る能力、役職などの理由で年収が高い傾向があるようです。
そのため、実務経験などを活かした新人教育など仕事の幅を増やす事が役職を上げるためにも重要な事です。
また、看護師から救急救命士の資格を所持していれば、看護師として病院勤務もできます。
しかし、その場合はあくまでも看護師としての勤務になるので注意しましょう。
救急救命士は女性でも目指せる?
女性でも救急救命士を目指す事ができます。
女性の救急救命士の国家資格の合格者は全体の約1割とも言われており、割合的に見ても少ない印象を受けます。
女性救急士のメリット&デメリット
やはり、体力を必要とする職業という事もあり、まだまだ男性社会として根付いている傾向があります。
女性救急士
メリット1 … デスクワークなど繊細な仕事が出来る
メリット2 … 看護師の資格を持っている場合、より適切な処置を行える
メリット3 … 女性ならではの安心感を与えられる
デメリット1 … 体力で男性に追いつけない
しかし、救急救命士は救急車に同乗するだけが仕事ではありません。
待機時間中には事務作業をしなければならず、デスクワークなど繊細な仕事をする際には女性の方が向いている事がメリットの1つです。
また、看護師から救急救命士の資格を取得するケースもあるため、より適切な処置を行えるメリットもあります。
他にも、女性は男性よりも身長が低く、患者によっては高身長の男性よりも安心感を与える事もできます。
身長が低いと相手に安心を与える事ができるのもメリットの1つです。
女性救急救命士の年収
基本的に救急救命士の年収は実務経験や役職によって決まります。
女性だからこの役職にはなれないと言った事は決してありません。
女性でも頑張れば年収を上げる事も可能です。
しかし、女性の救急救命士の多くは結婚や出産と同時に退職をしてしまう事が多く、出産後に現場復帰をした際においても体力が落ちてしまい、以前のようには働くことができないといった悩みもあります。
救急救命士と看護師のダブルライセンス取得
女性で救急救命士の資格を取得した場合、多くは看護師の資格を取得してから救急救命士の資格を取得するのが一般的です。
ダブルライセンスのメリットは看護師の仕事内において患者の容態が急変した際の応急処置をより的確に行える事です。
これはとても大事なポイントであり、救急に関する知識を備えている事で救える命が多くなります。
特に救急の場合には一分一秒がとても重要であり、この間にどれだけ適切な処置ができるかで患者の今後を左右すると言っても過言ではありません。
看護師と救急救命士について
看護師と救急救命士はどちらも患者に携わる業務を担っています。
そのため、どっちが上かなどの概念は無く、双方ともに同じ現場で働く仲間であり、一致団結して救急で運ばれた患者に対して全力で処置を施す必要があります。
看護師が救急救命士の資格を取得した際のメリット
大きなメリットは上記にも説明したように、看護の業務内で救急における知識を活かせる事です。
メリット
♢ 救急における知識を活かせる
♢ 看護師を退職後、救急救命士として職場復帰する事ができる
また、この他にも看護師としての仕事を退職した後でも、救急救命士として職場復帰する事ができます。
双方の知識を備えていれば、さらに救急における適切な処理をする事ができ、多くの命を救う事ができます。