看護師が体験したいじめの実例とは?
いじめというとまず学校などがイメージされるかもしれませんが、大人の世界にもいじめは存在します。俗に言う「職場いじめ」などです。
近年定着しつつある「パワハラ(パワーハラスメント)」もいじめの一種と考えられるでしょう。
看護師が働く上でも、このようないじめが発生する場合があります。
・厳しく叱責(患者さんの前など)
・指導をしてもらえない
・自分にだけ態度が違う
・根も葉もない噂を流される
・悪口、陰口
・業務への支障
新人看護師に対してのいじめパターン
新人看護師がいじめられる体験は多くみられます。
先輩に極端に厳しい態度で叱責されたり、必要な指導をしてもらえなかったり。このような体験をしている新人看護師は多いようです。
叱責されるのも患者の前など、心理的にダメージが大きくなるような指導をされ、プライドが傷ついてしまうこともあります。
また、他の新人には優しい態度なのに、自分だけ辛くあたられるという体験されている人もいるようです。
負担の重い仕事を自分にだけ押し付けられたり、根も葉もない噂で他の人からのイメージも悪くなるようないじめに毎日つらい思いをしている新人看護師もいます。
派遣看護師/准看護師のいじめパターン
派遣看護師が常勤看護師にいじめられたり、准看護師が正看護師にいじめられたりといったケースも少なくありません。
陰口など人間関係に関する嫌がらせだけでなく、仕事に必要な対応をとってもらえないなど、業務に支障が出かねない内容もあり、いじめの種類は多岐にわたります。
このような事例を見ると、新人・派遣・准看護師といった、職場でやや立場が弱めな人をターゲットにいじめが行われる傾向にあると言えます。
看護師の職場は縦社会的な部分があるため、役職・勤続年数・雇用形態などにより、下位に分類されるような人が、上位にいる人からいじめられるパターンが多いのでしょう。
看護師のいじめっ子になりやすい人とは?
看護師のいじめっ子になりやすい人としてまず挙げられる特徴にはどんなものがあるのでしょうか。
自意識過剰な人
自意識過剰とは自分を意識し過ぎている状態です。
人からの目が気になる、人の行動が気になる、つまり自分を意識するとともに、ほかの人にも意識を強く向けている状態だと言えます。
だからこそ、他人の細かい行動を確認し、気に入らないことがあれば攻撃をしようとするのです。
嫉妬深い人
嫉妬深い人もいじめっ子によくみられる性格です。
他人を妬む気持ちがあまりない人なら、人は人、自分は自分としっかり線引きができるので、他人がどのような行動をとろうといじめようなどと考えたりしないでしょう。
しかし、自分にないものを持っている人を羨む気持ちが強すぎると、悔しい思いからその人を攻撃し、困らせたり自分の方が立場が上だとわからせたりしようとするのです。
忙しく心の余裕のない人
仕事の量が多く忙しい人もいじめっ子になる可能性があります。
忙しいならいじめなどしている時間はないのではと考えるかもしれませんが、忙しいからこそ、新人や仕事ができない人など、自分の業務の足を引っ張る人を嫌う場合があるのです。
それが無視や悪口などの行動にあらわれ、どんどんいじめに発展していくケースもあります。
患者からの嫌がらせもあるの?
看護師をいじめるのは同じ看護師ばかりではありません。看護師が看護する対象、患者側から嫌がらせをされることもあります。
自分をお世話してくれる立場である看護師に嫌がらせを行うなど、通常では考えられませんが、実例が多数あります。
・汚物を置いたりいやがらせをする
・無視をする
・検査に非協力的な態度
・ストレス、鬱憤をぶつける
例えば、自分のベッド周りで看護師がよく通るところに汚物を置いたり、看護師が話しかけるのを無視したり、検査や測定に非協力的な態度をとったり、さまざまな嫌がらせをされた看護師が存在します。
このような嫌がらせは、特定の看護師をいじめようという意識が働いているというよりは、溜まっている鬱憤を身近な存在である看護師にぶつけているという場合が多いでしょう。
不安やストレスの捌け口へ
患者の多くは自分の体に病気やケガなどの不安を抱えています。
さらに入院しているとなれば、普段と違う生活を送らなければならないことで、大きなストレスにさらされている可能性が高いでしょう。
しかし、入院中はできることが限られ、自由に外出などもできません。
ストレスは発散されないままどんどん溜まっていき、結果看護師にあたることで鬱憤を晴らしているのだと考えられます。
同僚からのいじめとは少し背景にあるものが違いますが、このような患者からの嫌がらせに傷つく看護師も少なくありません。
いじめられない方法とは?
いじめられないための対処法や回避法を実践しておけば、いじめ被害を防止できる可能性があります。
礼儀正しい挨拶をしっかりする
まずおすすめなのは、挨拶をしっかりすることです。
日頃からさまざまな挨拶を欠かさないよう意識すれば、周囲に礼儀正しい人だと印象付けることができます。
挨拶のしっかりしている人をむやみに攻撃する人はあまりいないでしょう。
また、周囲にしっかりした人と印象付けておけば、いじめる方が悪者だとわかってもらいやすく、いじめっ子も簡単に手出しができないと考えられます。
笑顔を絶やさない
常に笑顔を忘れないことも大切です。笑顔が印象的な人は、明るく元気、愛嬌がある、優しいなど、良いイメージをもたれやすいでしょう。
良いイメージをもたれていれば、仮にいじめっ子に何かかしら攻撃されたとしても、周囲の人を味方につけて誤解を晴らしたり、対抗したりできるかもしれません。
1人で抱え込まず相談する
また、いじめられたとき、すぐに誰かに相談するのも1つの方法です。
自分1人で抱え込んでいても、いじめを解決するのは難しいものです。
相談することを恥ずかしいと思わず、困ったときには誰かに話しましょう。
話すだけで心が軽くなるほか、有益なアドバイスをもらえたり、解決のために手助けしてくれたりするかもしれません。
ただし、話す相手によっては状況が悪化する可能性もあるので、相談相手のチョイスは重要です。
信頼のおける人、口が堅い人、客観的なアドバイスができる人、このような人選がおすすめです。
いじめられた時は転職も考えるべき?
いじめられて、状況の改善が見込めない場合、思い切って職場を変える手もあります。
いじめ原因の転職に抵抗感を覚える方もいるかもしれませんが、いじめやパワハラなど、職場の人間関係が原因で転職するケースは実は少なくありません。
例えば下記のような事例があります。
- 職場で影響力の強い人と関係がこじれていじめられるようになったことが原因で転職をする。
- いじめによってメンタルだけでなく体調にも影響するようになって環境を変えるために転職する。
いじめに労力を使うよりも新しい環境でスタートする
いじめのせいで退職しなければならないことは非常に悔しいでしょう。
しかし、現在の職場からいじめをなくすより、自分が環境を変えた方が早く解決することもあります。
すでにいじめで傷つけられているのに、いじめ撲滅のためにさらに労力を使わなければならないのも嫌ですよね。
その職場は私にとって適正な職場ではなかったのだと解釈し、早々に見切りをつけて新しい生活を始めるのも良いでしょう。
世の中には非常に多くの職場があり、求人も豊富に存在します。人間関係に煩わされない風通しの良い職場もあちこちにあります。
いじめを受け続けて疲弊してしまう前に、もっと自分らしくのびのびと働ける職場への転職を検討してみませんか。