デイサービスとは？
高齢化社会の日本において、年々その需要が高まっている介護サービスですが、特別養護老人ホームやケアホーム、サービス付き高齢者向け住宅など様々な施設が存在しています。
今回は特に利用者の多いデイサービスで働く介護士の給料について解説します。
デイサービスとは
厚生労働省では、通所介護（デイサービス）について、以下のように定義しています。
入浴時の介助や利用者の送迎、または送迎時における居宅内介助を実施するサービス
デイサービスでは、「利用対象者となる高齢者が、老人ホームなどの施設に入居せず、自宅で生活を送りながらサービスを受けられる」といったメリットがあります。
デイサービスの仕事内容
デイサービスで職員が行う仕事内容は、要介護1～5の認定を受けた高齢者に対して以下のようなサービスを提供することです。
- 入浴、食事、排泄といった身体介護
- レクリエーション
- 機能訓練 等
施設では主に、介護職員や看護師、機能訓練指導員などの職員が在籍し、利用者に合わせたさまざまなサービスが提供されています。
▼利用者に合わせたサービス例
食事を作ることや入浴をすることが困難である人がサービスを利用すること以外に、家族の介護に対する負担を軽減するサポートとして利用
また、デイサービスには、自宅から施設まで車での送迎もあるため、自力で施設まで通えない高齢者でも、簡単に利用することができます。
デイサービスには、機能訓練に特化したデイサービスやカジノ型のデイサービスなどもあり、自分に合ったデイサービスが受けられる施設を選ぶこともできるようです。
デイサービスで働く看護師の給料
看護師の中には、デイサービス（通所介護）への就職や転職を考える人も多いようです。
デイサービスの特徴
デイサービスでの勤務の特徴を表すと、
- 日勤業務である
- 夜勤がない
- 比較的時給は高いが、大変に感じることもある
といったところでしょう。
そのため、夜勤の多い病院勤務に比べると、年収は下がってしまいます。
看護師の給料
デイサービスで働く看護師の給料の相場は、常勤で340万～400万円の範囲と言われています。
基本給の差はありませんが、病院勤務の看護師に比べると、夜勤や宿直がない分、年収に差があるようです。
デイサービス施設がどの都道府県・市区町村にあるかによって、給与水準が違ってくるので、確認すると良いでしょう。
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看護師の仕事内容
デイサービスで看護師は、主に服用薬の管理やバイタルチェックなどの業務のほか、食事中の誤嚥への対応や入浴介助、利用者の送迎などのデイケアを行います。
つまり、本来看護師業務に属していない入浴介護の補助や、利用者の送迎などを求められる施設もあるということです。
そういったことから、「調整手当」などの手当があるデイサービスもあります。
上記のような手当があれば、病院から転職した看護師の給料の補填になるでしょう。
看護師には資格手当として1万円程度支給される場合もある、と覚えておくと良いです。
デイサービスにボーナスはある？
デイサービスで働く場合にも、ボーナスはあります。
ボーナス平均額
ボーナス平均は、年間50万円前後（年収340万～400万円に含まれる）で、正社員として働く看護師にも支給されます。
ただ、多くのデイサービスでボーナスが支払われていますが、施設によってはボーナスの支給がない場合もあるようです。
また、いつごろボーナスが支給されるのか、どのくらい支給されるのか、などにについて詳しく知りたいのであれば、施設ごとに確認しておくと良いでしょう。
保有資格や勤続年数、残業時間によってボーナス額は変わってくるため、比較しながら検討してください。
介護職員処遇改善加算とは
ところで、デイサービスを対象に、介護職の賃金向上を目的とし、介護報酬を加算して支給する制度（介護職員処遇改善加算）があることを知っていますか？
この制度は、ある要件を満たしていて、介護職員の待遇改善について取り組んでいる事業所が対象になります。
厚生労働省の調査では、全国の事業所の約9割が「介護職員処遇改善加算」を取得しているということです。
つまり、デイサービスで働く全国の介護職員の多くが、この制度によって恩恵を受けているということになります。
処遇改善手当については、看護師は対象外になるので、気を付けておきましょう。
デイサービスの時給の相場は？
デイサービスで働く看護師の時給は、どのくらいなのでしょうか。
非常勤看護師の時給
常勤ではなく、非常勤（パート・アルバイト）として働く場合、看護師の時給は1200円～1700円が相場のようです。
常勤に比べて収入は減ってしまいますが、残業はほとんど無く、仕事に振り舞わされるといった心配もあまりありません。
たとえば、結婚・出産などを機にしばらくの間休職していた人など、ブランクのある人であっても、看護師として復職しやすいようです。
また、子育てに忙しいママなど、フルタイムでの勤務が難しい人も、パートタイマーとして働きやすいメリットが多いようです。
比較的柔軟な対応ができる
病院勤務の場合、早番・遅番の出勤や土日に休みがとれないことが想定されます。
しかし、デイサービス施設での勤務であれば、家族の事情などで予定外のイベントができてしまった場合にも、比較的柔軟に対応してもらえます。
夫の収入をメインに考えて、空いた時間を有用に使って働きたいのであれば、家族収入の補助として、扶養範囲内で働くことも可能です。
扶養範囲内の勤務を念頭に置いた場合、十分な時給になるでしょう。
デイサービス施設での勤務であれば、ライフスタイルの変化に応じて、負担を軽くしながら働くことができそうです。
デイサービスで働く心得とは？
デイサービス等の施設勤務への転職を考えている多くの看護師が、病院・診療所を経験していることでしょう。
しかし、病院と介護施設では目的が違うこともあり、働く職員が意識すべきことも変わります。
目的の違いを理解しておく
デイサービスで働く場合、「病気やケガで苦しむ人を助けたい」という看護師の使命感がある人には、少しもの足りない点があるかもしれません。
一方、病院勤務で起こる不測の事態がほとんどないため、看護師として初めて仕事をする人でも、勤務しやすい環境ではあります。
看護師の業務としては、利用者の健康チェックやインシュリン注射を行うこともあるようですが、介護スタッフの手伝いを求められことが多い、と心得ておきましょう。
なかには、利用者の自立をサポートできる喜びや、利用者の家族から感謝されることで、やりがいを感じる人もいます。
看護師の業務外の仕事があることを理解しておく
看護師が本来行う業務外の仕事を求められて、慌てる、落胆する看護師も多いようです。
そのため、そういったギャップを理由に辞めたいと思う看護師が出てきてしまうのが、デイケアの「あるある」ではあります。
事前に仕事内容を正確に知っておく必要もあるでしょう。
高齢者を対象としていることを理解しておく
病院であれば小さい子供から高齢者まで老若男女問わず対応することになります。
一方、デイサービスは高齢者しかいないということを理解しなくてはなりません。
高齢者を対象にしたサービスであるため、些細な変化を見逃さない観察力や気配りなども必要です。
そして、デイサービスは、さまざまな利用者と積極的に会話や交流をしていく必要もあります。
看護師であっても、デイケアの仕事に慣れるまで、努力することが大切でしょう。
