外科看護師の仕事内容とは?
怪我をした時に、病院の外科や整形外科にかかった経験は多くの人がありますよね。
しかし、いざ看護師として働こうと思っても、外科と整形外科の違いは?どんな仕事をしているの?と疑問になるのではないでしょうか。
ここでは、そんな疑問について解説していきたいと思います。
まず、外科というのは、皮膚や内臓・骨などの幅広い診療部位の手術などを専門的に行う診療科のことをいいます。
外科にはたくさんの種類がありますが、一般外科と専門分科の大きく2つに分けられます。
一般外科
一般外科は、幅広い疾患を扱うのが特徴です。最初に一般外科で診察が行われてから、他の専門各科での診察、精密検査などが行われたりもします。
そのため、他の専門各科との密接な連携が必要となってきます。
代表的な疾患
・外傷性疾患
・消化管(大腸・直腸・胃)の炎症性疾患
・頚部リンパ腺炎や甲状腺腫の頚部疾患
などがあります。
専門分科
専門分科とは、特定の部位の病気に絞って手術や治療を行うの科で、医師だけでなく看護師も専門性の高い知識が求められ、およそ20種類ほどの科があります。
代表的な疾患
- 心臓血管外科
- 消化器外科
- 脳神経外科
- 胸部外科
- 小児外科
- 美容外科
- 整形外科
などがあります。
そして、外科の看護師の働き方として、外来、病棟での仕事があります。
仕事内容も変わってきますので、どちらが自分に合っているかという判断の参考にしてみて下さい。
外科外来での主な仕事内容
外科外来での主な仕事内容は、診察室への案内や診察・処置の介助です。
問診票で症状の確認をして案内しますが、優先的に緊急性の高い患者を見分けて案内するなど、臨機応変な対応も求められます。
また、椅子に座ったり診察台に乗る手伝いをしたり、医師の診察がスムーズに行えるように、ガーゼや消毒液・包帯の準備をします。
外科病棟での主な仕事内容
外科病棟での主な仕事内容は、呼吸や脈拍・血圧・体温などを確認したり、術前術後の患者のケアや退院するときの準備などです。
また、医師の指示による検査では、補助だけでなく数値が正常値かどうかなどを見極める力が必要です。
外科看護師は、手術を控える患者と接する機会が少なくありません。
患者の不安な気持ちに寄り添うことも役割の一つになります。
外科看護師は、さまざまな専門分野に触れる機会が多いので、実務経験を積んだ後に専門看護師や認定看護師の資格を取得してキャリアアップを図れます。
外科と整形外科の違いとは?
外科は、手術などによって病気やけがなどを治療する医学の分野です。
また、切り傷などの小さな処置をおこなうのも外科です。
外科は種類が多いですが、代表的なものを紹介します。
- 脳神経外科
- 消化器外科
- 胃腸外科
- 呼吸器外科
- 心臓血管外科
- 循環器外科
- 乳腺外科
- 性感染症外科
- 内視鏡外科
- ペインクリニック外科
- 腹部外科
- 肝臓外科
- 胸部外科
- 肝臓外科
- リウマチ科
- 整形外科
などがあります。このように、外科は部位で診療科が分かれることになります。
整形外科は外科の一分科ということになります。筋肉や骨格・関節・神経など、運動器系統の機能障害と形状変化を研究し、その予防・治療を行います。
さらに専門分野によって細かく分けると下記のようになります。
- 脊椎外科(背骨と脊椎)
- 手のひら外科や肩関節外科(手や腕)
- 股関節外科/膝関節外科(足や脚)
- スポーツ医学科(スポーツによるけがや障害)
- 骨・軟部腫瘍(しゅよう)外科(できもの)
などに分かれます。
外科も整形外科も、医学部で一般外科学や消化器外科学を学びます。
また外科看護師も、外科の基礎的な学問を学ぶことで、現場でさまざまな診療科に対応できる幅広い知識を付けられると同時に、キャリアアップを図ることができます。
外科看護師のやりがいとは?
外科看護師としてのやりがいを紹介します。
患者が回復する姿
外科看護師としての大きなやりがいは、患者が元気になる姿を目の前で見ることができることです。
具体的な例として、重体の患者が手術後に快方に向かうプロセスを、日々看護しながら実感できるなどです。
術後に寝たきりだった患者が、看護計画に沿って徐々に寝起きや移動・衣服の着脱・排泄・食事など、日常生活を送るための基本的な動作(ADL)が向上し退院していくのは、外科看護師としてのさらなるやりがいに繋がるでしょう。
キャリアアップへの道
オペ室を担当すれば、医師のさまざまな手術をサポートしながら観察・体験することができ、自分自身の知識を向上させることにもなります。
特に急性期の外科看護師は、術前術後の患者の健康管理も重要な仕事になります。
患者やその家族の精神的なケアはもちろん、健康状態の観察や指示された薬の投与など、迅速で的確な処置を求められます。
その他にも、患者の家族へ病状の説明やリハビリにも立ち会うことがあります。
知識の幅広さが必要になり、学ばなければいけないことも膨大です。
ただ、現場で技術力を磨きながら医師や患者への適切なサポートができるようになれば大きな自信にもなりますし、習得した知識でキャリアアップを図ることもできます。
外科看護師の年収はどれくらいなの?
以下は、2018年の看護師の給料データによる専門学校、看護大学を卒業した初任給になります。
手取りは額面から4~5万円引かれた金額ですが、夜勤手当がつくと月収は8万円ほど高くなります。
- 看護師専門学校を卒業した看護師の初任給:約20万114円
- 看護大卒の看護師の初任給:約20万7,013円
都道府県別や、年齢、診療科によって年収に差は出てきますが、看護師全体の平均は約450万~500万程になっています。
看護師全体の平均額
- 年収 約480万
- 月収 約30万
- ボーナス 約80万
すべての診療科のうち年収が高い順に並べると、乳腺外科と呼吸器外科、糖尿病内科がトップ3に入っています。
乳腺外科
乳腺外科は、超音波検査やマンモグラフィなどによる乳がん検査や乳腺疾患・腫瘍摘出手術などを行います。
メンタル面でのケアも乳腺外科看護師の大切な役割で、術後の検診などに通院する人も多く、1人の患者と長い付き合いになるケースが少なくありません。
乳がんの罹患者が近年増える傾向にあり、乳腺外科看護師の人手不足が続いていることも、年収が高い理由になっています。
呼吸器外科
主に呼吸器外科は、がんを扱います。がんに罹患する人が近年増えてきたため、看護師確保のために年収が高くなる傾向にあります。
糖尿病内科
内科になりますが、トップ3に入る糖尿病内科に関しても糖尿病患者が増加傾向にあります。
このように、ニーズが高い診療科は、年収も比較的高く設定してあるようです。
さらに、乳がん看護認定看護師や慢性呼吸器疾患看護認定看護師の資格を取得すれば、キャリアアップも目指せますし、資格手当が付く分年収が上がる可能性が高くなります。
外科看護師向いている人とは?
外科看護師の業務は多岐にわたり、現場でさまざまな経験や知識を身に付けられるので、看護師の中でも人気があります。
ただ、外科看護師に向いているか・向いていないかは、しっかりと自己分析をしてから判断しないと、重大な事故に繋がる可能性があるので注意が必要です。
判断力の良さ
日々、いろいろな患者が外科を訪れてきますが、医師の診察や治療をスムーズにするには、仕事の速さが要求されます。
また、患者とのコミュニケーションは看護師にとって大事ですが、外科は業務が多くその場その場で患者に対して適切な対応をするために、判断力があることも重要になります。
さらに、急変する患者の対応もテキパキとこなしていかなければいけないので、要領の良さも大切な要素になってきます。
気持ちの切り替え
外科は、血を流しながら運ばれてくる患者に対応しなければいけないことも少なくありません。
時にはショックを受けることもあるので、プライベートを充実できるなど、上手く気持ちの切り替えができる人が向いています。
責任感
とても重要な資質が責任感です。外科看護師は、患者の健康と命を守る仕事です。
自分の行動が患者に影響を与えていることを常に意識して行動できる人が向いているといえます。