外来看護師の役割とは?
外来看護師は外来患者の診察を補助するのが主な役割です。
基本的には、患者が来院してから診察を終えて出て行くまでをフォローすることが仕事内容になります。
病院内でも患者との接点が多いポジションと言えるでしょう。
来院から診察室までの対応
来院した患者から話を聞いて誘導したり、問診票を書いてもらったりするのは外来看護師の役割であることが多いでしょう。
また、診察室に患者を誘導して、医師が診察をするときに記録をしたり、検査に必要な器具を出したりするのも仕事です。
この点では看護技術よりもコミュニケーションスキルや医療知識の方が必要になります。
診察中の対応
診察中には下記のような仕事を担当するのも外来看護師の役割です。
- 採血
- 心電図検査
- バイタルサインチェックなど
医師の指示に従って検査を行い、結果をまとめて医師に渡すのが主な業務ですが、検査後の注意点を患者に伝えてアフターフォローをすることも重要になります。
このように外来看護師の仕事は、医師が外来患者の診察をして治療を進めるのをサポートすることです。
スムーズに診察を進められるようにするのを目標にして働くのが基本ですが、患者からは満足できる医療を受けられたと感じてもらえるようにすることも必要になります。
患者との接点が多いのが外来業務の特徴なので患者とのコミュニケーションも欠かせない業務なのです。
外来看護師に必要なスキルとは?
外来看護師に向いてる人と向いていない人がどこで分けられるかが気になる人もいるでしょう。
重要なのは必要なスキルを身につけているかどうかで、病棟看護師と共通している部分と異なる部分があります。
検査技術
病棟看護師のようにベッドで入院患者の看護をすることは基本的にはないので、身体看護の技術はなくても問題はありません。
しかし、採血や超音波(エコー)検査などの各種医療機器を用いる検査を担当することになるため、検査技術は外来看護師に欠かせません。
エコー検査は経験や知識が豊富な看護師、准看護師、診療放射線技師、臨床検査技師が実施することができます。
コミュニケーションスキル
コミュニケーションスキルは外来看護師だけでなく病棟看護師にも求められるものですが、役割が違う関係で必要なスキルの性質が異なります。
外来看護師の場合には主に下記の2つのコミュニケーションスキルが必要になります。
・初めての患者ともスムーズに話をできる接客力
・医師との短時間でのコミュニケーションで的確に患者の状態を伝えられるスキル
いわゆる「浅く、広く」コミュニケーションが取れることが重要になります。
一方、病棟看護師の場合には、数日から数ヶ月という単位で同じ患者とのコミュニケーションが必要になるため、長く親しく付き合える力が求められます。
このように業務の性質が違うことから看護師に求められるコミュニケーションスキルにも差があるため、どちらに向いているかが人によって異なっています。
外来看護師に向いてる人とは?
外来看護師として上手く業務をこなせる人や、向いている人にはどのような特徴があるのでしょうか。
人当たりが良い
外来看護師に向いてる人の特徴として人当たりが良いことがまず挙げられます。
性格的に温和で誰からも好かれる看護師は外来業務で活躍しています。
相手の意図をくみ取れる
また、会話を通して相手の意図を組む力がある人はできる看護師として患者からも医師からも喜ばれるでしょう。
外来看護師ではカルテの作成補助をすることが求められる場合が多いので、ヒアリングの結果をすぐにその場で端的にまとめることができる人も重宝されます。
患者とのコミュニケーションの時間は短いため、速やかに話を終えられる会話力がある人も外来看護師に向いています。
向いていない人の特徴
外来看護師に向かない人として代表的なのが同じ患者に対して献身的な看護を続けていきたい人や、治療が進んでいく姿を目の前で見たい人です。
外来担当の場合には大勢の患者と接する機会がありますが、一人の患者に対してずっと看護をすることはありません。
病棟でじっくりと話をしながら一緒に完治を目指していくといった看護の仕方を理想としている人には向かないでしょう。
また、外来治療は自宅で行うものが大半を占めていて、完治したときにはもう外来に来ない患者も大勢います。
目の前で病状が改善していく姿を見られないことが多いので注意しましょう。
仕事ができない外来看護師とは?
外来看護師の仕事には、ただ覚えて出来る仕事だけではなく、対人スキルなど知識があるだけではうまく対応できない内容も多くあります。
ベテランになっても仕事ができない
外来看護師の仕事は得手不得手があるので、ベテランになっても苦手という人も大勢います。
看護師は3年目になると一人前とよく言われていますが、5年目くらいになっても使えない看護師というレッテル貼られてしまうこともないわけではありません。
10年目くらいになるとさすがにノウハウが身につくので苦手意識があった看護師も人並みにこなしていることが多いですが、若手の看護師に引けを取らないような働きぶりはできないこともよくあります。
そのため、病院によっては業務を分担して外来専門、病棟専門という形にしていることもあります。
仕事に時間がかかっている
仕事できないと指摘される外来看護師の特徴として無駄に時間がかかっていることが挙げられます。
仕事が早い看護師は概して外来で活躍していますが、下記のような問題があると医師からは使えない看護師という評価が下されてしまいがちです。
- 問診票の作成や検査にかかる時間が長い
- 診察後すぐに次のカルテ作成補助に移れない など
医療現場は忙しいのでどこでもスピード感が求められるのは確かですが、病棟の看護業務と違って外来では医師の補助をするのが仕事になります。
医師が期待するスピードで業務をこなせるようでないと認めてもらえないことが多く、仕事の早さによって評価が分かれるのが一般的です。
外来看護師の目標とは?
外来看護師の働き方については理解できましたが、外来看護師が目指すべき目標・ゴールはどのように設定されているのでしょうか。
基本的な目標
外来看護師の基本的な目標は「医師に納得してもらえる診療補助をして医療をスムーズに進められるようにしつつ、外来患者から高い満足を受けること」です。
ただ、あくまでこの目標は外来看護師に必要なことを並べただけであって、この目標に向かっているだけでは外来看護師として優秀な働きぶりができるようになるとは限りません。
やりがいを持って業務に取り組み、スピーディーかつ正確に仕事をこなせるように工夫をして業務改善を図っていくことも重要になります。
個人目標
「自分がその場で働いていたからうまく医療を進められた」という評価を受けられるのを目標にして取り組んでいくと現場の状況もより良いものになっていくでしょう。
そのためには個人目標を立てて取り組んでいくことが大切です。
短期目標と中期目標を立てて働くのが外来看護師には合理的でしょう。
短期目標…
目の前で起こっている色々な問題や働きづらい環境をすぐに改善するために工夫をしようという目標
中期目標…
短期目標に取り組んでいくことによって一年後くらいにはどうなっていたいのかという目標
このくらいの時間間隔で目標を立てた方が仕事のやりがいを見つけやすく、外来看護師として前向きな気持ちで働けるようになります。