ナースキャップはもう被らない?ナースキャップが消えた理由

ナースキャップはもう被らない?ナースキャップが消えた理由

ナースキャップ(ナース帽)はいつから無くなった?

ナースキャップ(ナース帽)はいつから無くなった?

ナースのイメージとして、ナース帽を被っている姿を想像する人も少ないないのではないでしょうか。

看護師のコスプレをする人にナース帽を被っている方が多いことからも、ナース帽のイメージが定着していることがわかります。

しかし、実際の医療現場ではナース帽を被っている看護師の方がいないことにお気づきでしょうか。

今回は、看護師がナース帽を被らなくなった歴史について紹介します。

ナース帽の廃止はいつから?

看護師の象徴として知られていたナースキャップ(ナース帽)は、明治時代に日本に導入されたと言われています。

そこから看護師の代名詞としてずっと利用され続けてきたのですが、1990年代からはアメリカなどの海外でナースキャップが廃止されました。

そして、日本でも同じような時期から徐々に利用されなくなってきました。

廃止の理由は?

ではなぜナースキャップがなくなったのかというと、主な理由としては衛生面での問題です。

①糊にウイルスが付着する

実はナースキャップはその形を維持するために糊付けされているのですが、その糊に細菌やウイルスが付着してしまい、感染源または感染拡大の要因となってしまいました。

②埃などが溜まりやすい

さらにかわいいデザインのナースキャップのあの形が埃などをため込んでしまう要因になってしまいます。

③物に引っ掛かる

また、点滴台などに引っ掛かってしまうなど業務上必要ないものと判断されたところも大きな理由です。

④男性看護師の増加

ほかにもナースキャップは看護師の象徴であるのと同時に、女性の職業という意味合いを強く持っていました。

このため看護師は女性の職業と思われがちでしたが、徐々に男性看護師も増えていますよね。

結果として女性の職業の象徴としての意味を持っていたナースキャップは、男性看護師の増加に伴って不要なものと判断されてしまったようです。

ナースキャップはまだ残っている!戴帽式

様々な理由や意味から病院で廃止されるようになったナースキャップですが、看護学生が通っている学校の行事の一つである戴帽式で利用されている場合があります。

戴帽式とは

戴帽式の読み方は「たいぼうしき」で、看護学生が現場の実習に赴く前に行われる儀式的なイベントとなっています。

そんな戴帽式で最も重要なシーンに用いられているのがナースキャップであり、1人1人学生に対してキャッピングが行われるのです。

現在では看護学校によってはキャッピングをしないところも増えているようですが、儀式としての重要性を重んじている学校ではナースキャップを用いていることも少なくありません。

戴帽式の目的

そもそも戴帽式は、看護師を目指す学生に対して看護師の祖であるナイチンゲールの精神を受け継がせるという大きな意味があります。

この受け継がせる儀式に欠かせないものとして利用されているのがナースキャップで、キャッピングすることで看護師としての自覚や責任の重さを感じさせることができます。

そのため看護学生にとってナースキャップを与えられる戴帽式は非常に大きな意味を持つイベントとして認識されています。

また、看護師を目指すものとして認められたと感じられる感動的なアイテムだと考えられているようです。

ナースキャップってどう被るの?

ナースキャップってどう被るの?

ナースキャップが廃止されたことで、被り方がわからない方も多いようです。

ナースキャップの構造は一見四角なのかと思われがちですが、実際に広げてみるとまるでキノコのような形をしています。

またナースキャップの形を維持するために丸みを帯びた部分の先端が伸びているなど、言葉で説明するのが難しい独特の形をしているところが特徴です。

ナースキャップの被り方

そんなナースキャップの被り方は、独特の形をしているナースキャップを立体折り紙のように折っていくところから始めます。

①糊付けする

しっかり折るためにはナースキャップを全体的に糊付けする必要があり、特にナースキャップの先端部分や前の部分はしっかり立つように糊付けすることが必要です。

②先端をピンバッジで固定する

そうして折って立体的なキャップを作った後は、先端部分をピンバッジまたはハットピンで固定します。

そうすることでナースキャップがほどけることを予防することができ、ちょっとした衝撃でもほどけないようにすることが可能となります。

③前髪をヘアピンで固定する

後は頭のつむじ部分よりも少し後ろ側にナースキャップを乗せて、前側をヘアピンで髪に固定するように留めれば完成です。

さらにしっかり固定したい場合の被り方としては、頭に乗せた後に前側に1つ、後ろ側に2つピンセットで留めるというやり方があります。

このやり方は通常の固定方法でキャップが取れやすい人におすすめの方法です。

ナースキャップがなくなってからのヘアスタイル事情

ナースキャップがなくなってからのヘアスタイル事情

ナースキャップがなくなってからの看護師のヘアスタイルは、病院の規則に則った髪型が求められるようになっています。

基本的には清潔感のある髪型やヘアスタイルが規則とされており、ロングヘアなどの髪の長い人たちはゴムやシュシュで一つにまとめておくスタイルが主流です。

ナースキャップがあった頃からロングヘアの人たちは髪をひとまとめにしておくことが多かったのですが、ナースキャップがなくなったことでまとめ方にもバリエーションが増えてきたと言われています。

またショートヘアの場合は髪をまとめる必要がないですし、ナースキャップがあった頃からそこまでヘアスタイル事情が変わったということはないようです。

前髪は注意が必要

ただロングヘアもショートヘアもナースキャップがなくなったことで注意しなければいけなくなったのが、前髪です。

ナースキャップがあった頃はキャップを留めるために前髪を下している人が多かったのに対して、ナースキャップがなくなってからは前髪が目にかからないようにヘアピンなどで留めるようなヘアスタイルが求められるようになっています。

ただこれはナースキャップがなくなった分、前髪をヘアピンでとめやすくなったという意見もあります。

ヘアスタイル事情としては規則に従っていればある程度自由になったと言えます。

今の時代、キャップといったらディスポキャップ

今の時代、キャップといったらディスポキャップ

看護師にとってキャップと言えばナースキャップを指していたのですが、ナースキャップがなくなってからはキャップと言えばディスポキャップ(衛生帽)のことを指すようになりました。

ディスポキャップとは

ディスポキャップとは使い捨ての帽子のことで、頭全体を覆うように被ることができる看護師用品・ナース用品となっています。

被り方も簡単で、取り出したディスポキャップは袋状の形をしているので開いている部分から頭全体を覆うように被るだけです。

その際に、髪の毛はキャップの中に全て入るようにしておくことが重要なポイントとされています。

また使い捨てなので一度使った後はそのまま処分するため、洗う必要がありません。

ディスポキャップの目的

そんなディスポキャップの目的は、感染予防対策です。

感染症にかかっている患者さんの看護をする時には、細菌やウイルスが体に付着しないように使い捨ての防護服を身につける必要がありますよね。

さらに体に付着しないようにしっかり防護できる形のものを利用する必要があるため、使い捨ての看護師用品であるディスポキャップは重要な感染対策グッズとして重宝されています。

このため今の時代のキャップは、感染予防対策のナース用品のことを意味していることがほとんどです。

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