看護師にうつ病が多い理由とは?
うつ病の看護師は、看護師全体の約5%の割合を占めています。
このような罹患率からもわかるように、うつ病は看護師にとってもポピュラーな病気のひとつです。
ある学会誌で発表されたデータでは、治療中の病気がある病院勤務の看護師のうち、約9%が精神疾患や行動障害などを抱えていることが紹介されています。
うつ病に気づかない人もいる
うつ病は、人によって症状の現れ方が異なるのがひとつの特徴です。
こういった病気の場合、実際に罹患をしていても、自分で気づいていない人もいるでしょう。
夜勤による睡眠トラブル
看護師にうつ病の割合が多い理由として考えられるのが、不規則な勤務形態です。
看護師は、定期的に夜勤を担当しなければならない場合があります。
夜勤があると、睡眠のリズムが崩れやすくなりますよね。
リズムが崩れると「なかなか寝つけない」や「熟睡感がない」などの睡眠のトラブルが生じてきます。
こういったトラブルは、うつ病を誘発する一因になりかねません。
ストレスの大きい業務
仕事のストレスが大きいことも、うつ病と診断される看護師が多い理由のひとつです。
医療現場では、ミスがないように細心の注意を払わなければなりません。
職場環境に問題がある場合などは、日々のストレスから不安障害や適応障害のようなトラブルを抱えてしまう看護師もいます。
もしうつ病と診断されたら
病院でうつ病と診断されたときは、パニックにならずに冷静に自分の生活を振り返ってみましょう。
病気の原因に自分で気づくことが、この病気を治すうえではとくに重要です。
職場環境を見直す
うつ病と診断されたときに真っ先にチェックしておきたいのが、職場の環境や日々の働き方、自分の考え方などです。
職場環境を見直すと、「仕事の負荷が大きい」や「人間関係が煩わしい」などの問題点が見えてきます。
自分が何にストレスを感じているかを考えてみて、解決法がないかどうかを探ってみましょう。
転職や休職
「仕事と家事の両立ができない」や「プライベートの時間がもてない」などがストレスになっているときは、働き方そのものに問題がある可能性があります。
うつ病の治療に専念したいときは、よりストレスが少ない職場に転職したり、診断書をもらって職場に休職願をだしたりするのもひとつの解決法になるでしょう。
自分自身の意識
仕事や同僚、上司に対する自分自身の意識も、ストレスの原因になる場合があります。
ネガティブな意識をもっていると、現実を実際よりも悪く捉えてしまうことがありますよね。
自分の意識がストレスを誘発していないかどうかをチェックすることも、うつ病と診断されたときに試してみたいアプローチです。
うつ病になりやすい特徴
うつ病になる人は、一般的に「責任感が強い」や「真面目」などの特徴があると言われています。
自分のスタイルに固執せずにリラックスして仕事に臨むのも、解決法のひとつになるでしょう。
うつ病で退職する前にやるべきこと
うつ病が原因で退職を決意したときは、事前にしておきたい準備がいくつかあります。
退職理由・退職届の準備
たとえば、退職願の準備です。
辞めるときには、職場に退職願をだすのが一般的です。
退職願には所定の書き方があるため、書式や文面などは事前にひと通りチェックしておきましょう。
退職願を職場に提出する前には、直属の上司に退職を希望していることを伝えておくのがマナーです。
うつ病が原因で退職するときは、素直に病気を退職理由にするのが自然でしょう。
生活費の準備
その後の生活費の準備も、退職前におこなっておきたい準備です。
配偶者がいるなど、家族に自分以外にも収入を得ている人がいれば、このような準備は不要な場合もあります。
一方、1人暮らしの人や自分の収入がないと生活が苦しくなる人は、復職するまでのお金をどのようにカバーするかを考えておく必要があります。
失業保険の注意点
失業保険の利用を考えているときに気をつけたいのが、退職理由です。
失業保険は、仕事を辞めた理由によって待機期間の有無や受給額が変わってくるのが特徴です。
うつ病が原因で仕事を辞めざるを得なくなったときは、さまざまな優遇措置が受けられる特定受給資格者とみなされる可能性があります。
スムーズに失業保険の手続きをするためにも、受給資格の条件については早めに情報を集めておきましょう。
うつ病で復職する時に気を付けること
体調が改善して再び看護師として復職したい場合は、職場の選び方に少し注意をする必要があります。
同じような職場環境は避けること
うつ病発症前と同じような職場環境で再び仕事を始めてしまうと、復職した後に病気が悪化することが考えられます。
完治の状態まで回復した人でも、以前と同じストレスにさらされると、うつ病が再発してしまうことがあるため注意が必要です。
うつ病の場合、復職した後に病気が悪化、再発する人も一定の割合で見られます。
こういった状況を避けるためにも、復職するときは自分のストレスが少ない環境を選ぶのがベストでしょう。
復職直後のストレス
復職直後はストレスが大きくなりやすいので、業務に少しずつ慣れていけるように、無理のない業務内容や業務時間に調整する必要があります。
そのため、あらかじめ自身の状態を上司や職場の同僚にしっかりと伝え、理解してもらうことが重要です。
徐々に職場での過ごし方に慣れていくうちに、ストレスは少なくなっていくでしょう。
復職希望者のためのプログラムとは
仕事を離れていた期間が長い場合、「職場にいくのが怖い」や「同僚や上司、患者さんとの接し方がわからない」といった悩みを抱える看護師もいます。
このようなときは、医療機関などがおこなっている復職希望者のためのプログラムを利用してみるのもひとつの方法です。
復職希望者向けのプログラムは、復職を成功させるためのカリキュラムが組まれています。
「心や体を仕事に慣らす」や「ストレスコントロールができる過ごし方を学ぶ」などは、プログラムの目標のひとつです。
プログラムではときに復職先の紹介もおこなっているため、看護師は受講を通じて新しい職場も見つけられる可能性があります。
うつ病看護師のおすすめブログとは
うつ病で不安が大きいときや、復職できるかどうかが心配なときは、同じ病気を体験した看護師のブログを見るのも解決法になるでしょう。
うつ病を経験した看護師のブログには、「うつ病を乗り越えたい看護師さゆのブログ」や「Smile~うつ病の看護師~」などの有名なものがいくつかあります。
うつ病を乗り越えたい看護師さゆのブログ
「うつ病を乗り越えたい看護師さゆのブログ」は、うつ病で休職していたある看護師が公開しているブログです。
公開者は休職後に晴れて復職を果たし、以後は自分の治療を続けながら精神科の看護の仕事と子育てを両立していることがサイトで紹介されています。
このブログのおすすめポイントは、仕事と子育て、プライベートの様子が淡々と記されていることです。
復職したときの生活のイメージをもちたい人にとっても、参考になる内容になっています。
Smile~うつ病の看護師~
「Smile~うつ病の看護師~」も、うつ病を経験した看護師が公開しているブログです。
公開者は、適応障害からうつ病と診断されたことを自身のプロフィールで紹介しています。
このブログは、治療中の公開者の体調や心の変化を詳細に記してるのが特徴です。
日々の出来事を交えながら状況を紹介しているため、プライベートな日記のように親しみやすい内容です。