訪問看護とは?
訪問看護とは、自宅や老人ホームなどで療養生活を行う方のところに訪問して看護を行うことです。
いわゆる在宅ケアサービスとも呼ばれるもので、患者の主治医が発行する訪問看護指示書に則り看護を行います。
また、患者や家族からの相談に乗り、適切なアドバイスをすることも役割のひとつです。
訪問看護師メリットデメリットとは?
訪問看護師には病院勤務の看護師と比べて、どのような点がメリットで、どのような点がデメリットになるのでしょうか。
訪問看護師のメリット
訪問看護師のメリットは、主に次の2点になります。
#自分の時間が確保しやすい
職場にもよりますが土日祝日が休みの場合が多く、しっかりと仕事とプライベートを分けることが可能です。
また夜勤なしなので体力的にも負担が少ないです。
子供がいる場合にも、訪問看護師は休みがとりやすいので学校行事などにも参加しやすいというメリットもあります。
夜勤がないということは夜勤手当もありませんが給料水準が高いため、日勤だけでもきちんと稼ぐことが可能です。
#利用者に寄り添った看護
また訪問看護は利用者の快適な療養生活のために利用者に寄り添い、適切な看護を提供することが求められます。
訪問看護中は一人の利用者のみに対応することが基本です。
そのため利用者により向き合った看護ができ、やりがいも強く感じられるのがメリットです。
訪問看護のデメリット
訪問看護師のデメリットは、オンコールがあるという点になります。
オンコールとは、患者の急変など緊急の呼び出しに備えて待機することです。
夜勤はありませんが、夜間などに急変した場合にはオンコール対応しなくてはいけません。
オンコールが担当の日は、いつオンコールがかかるのかわからないため気が休まりにくく、きついと感じる人もいるでしょう。
また訪問看護は一人で対応することが一般的であり、現場でのトラブル対応などに責任や不安を感じることがあります。
訪問看護師の仕事内容/役割とは?
訪問看護師の基本的な仕事内容/役割は、主に次のとおりです。
健康状態アセスメント
アセスメントとは分析という意味です。
身体の状態や精神状態などを診て様々な情報を収集し、現段階での問題点や課題点を洗い出します。
そして必要な生活介助や療養環境調整を行うのが特徴です。
訪問看護師の業務で大きなポイントとなるのが利用者とその家族が、どのような療養生活を望んでいるのか把握することになります。
そのためには利用者とのコミュニケーションや家族相談を行うことが必要です。
医療行為のサポート
訪問看護師は医療行為のサポートも重要な仕事になります。
訪問看護師の一般的な一日のスケジュール例は、以下のとおりです。
- 朝訪問看護ステーションへ出勤しミーティングを実施
- 午前中に1軒~2軒ほど訪問に向かいます
- 正午には訪問看護ステーションに戻り、休憩と昼食をとります
- 午後は2軒~3軒ほど訪問し、夕方には再びステーションに戻ります
- その後はステーションで報告書などを作成したり、他のスタッフとミーティングをしたりします
ステーションでは休憩をとったり書類業務を行ったり、情報を共有して申し送りをするなど訪問看護に必要な業務を行うのがポイントです。
訪問先での業務も重要ですが、十分な訪問看護を提供するためにはステーションでの業務も同様に重要になります。
訪問看護師の年収はいくら?
訪問看護師の給料水準は高いことで有名です。
訪問看護師の給料は訪問件数によって左右されますが、平均はおおよそ以下のとおりです。
平均月収:月収25万円~35万円
平均ボーナス額:60万円~100万円
平均年収:420万円~500万円
訪問看護ステーションによっては担当する訪問件数によって手当てがついたりします。
またオンコール手当を導入しているステーションもあり、その場合オンコール手当は1回あたりで1,000円~3,000円が相場です。
経営者や管理者になると給料上がるため、スキルアップを目指す看護師も多くいます。
また月々の給料制ではなく、時給制を採用しているステーションも多いです。
時給表に実労働時間を記録して報告するのが一般的になります。
パートの訪問看護の場合は、地域によって異なりますが時給の平均は1,800円となっています。
訪問看護の勤務先
訪問看護で働ける機関には、主に以下のような場所があります。
- 訪問看護ステーション
- 介護老人保健施設
- 特別養護老人ホーム
訪問看護を必要としている利用者や家族は多いため、訪問看護師へのニーズは高まっています。
そのため訪問看護師の給料水準は高くなっているのが特徴です。
採用待遇も優遇されているケースが多いため、訪問看護師は注目されている職業になります。
訪問看護師に向いている人とは?
訪問看護師にはどのような性格の人が向いているのでしょう。
利用者とじっくりと向き合うことができる人
現場では基本的に一人でサポートを行うため、対応力や責任感を持っている人も訪問看護師に向いているのがポイントです。
訪問看護師に向いているのかをチェックする適性テストでは、以下のような質問があります。
- 新しい資格を取りたい?
- 体を動かすのが好き?
- おしゃべりが大好き?
これらの質問にYesと答えた数が多い人は適性があると考えられます。
コミュニケーション能力
訪問看護では利用者だけではなく、利用者の家族とも意思を疎通することが大切です。
そのためコミュニケーション能力が高い人も訪問看護師に向いています。
家事のサポート
訪問看護師は料理や掃除、洗濯などの家事のサポートも業務の一つです。
生活を援助するので家事が得意な人は訪問看護の際に喜ばれます。
家事が好きで、手際よく料理などをできる人は訪問看護にも活かすことが可能です。
主体性
その他には自主性や行動力のある人が求められています。
他人からの指示がないと動けない、どう行動してよいのかわからないという人は訪問看護の業務には向いてないと言えるでしょう。
自分で考えて最適な行動をすばやく実行できることが理想です。
ただし自己判断のみで強引に行動するのではなく、必要に応じてアドバイスを求めるなどの柔軟性も求められます。
訪問看護あるあるとは
訪問看護は食事のサポートも業務の一部ですので、調理献立を考えなくてはいけない場合もあります。
利用者の体調や症状に合わせてメニューを決定することが必要です。
訪問看護指示書が必要
訪問看護でやってはいけない事は、訪問看護指示書がない状態で訪問看護を行うことになります。
訪問看護指示書は医師が発行するもので、これがなければ例え利用者が希望したとしても訪問看護は行えません。
医療行為の線引きなど不明な場合には、事前に確認や利用者への説明が必要です。
家事代行と混同している
訪問看護師は生活のための支援は行いますが、基本的に家事の代行は行いません。
しかし利用者やその家族の中には家事を依頼するケースもあります。
あくまでも自立支援のための訪問看護ですので、行き過ぎた掃除範囲への対応や郵便物の投函などを頼まれて困ってしまうことも多いです。
訪問介護と訪問看護を混同している人が多いため、事前にしっかりとできることや、できないことを説明しておかないと、どんどん家事や雑用を頼まれてしまうというあるあるが発生してしまいます。
駐車スペースがない
訪問看護師の悩みで多いのが、訪問しても駐車スペースがなく駐車場を探し回って時間をロスしてしまうというものです。
有料駐車場を使用する場合の駐車場代をどうするかなど、事前に決めておかないと後々トラブルになることもあります。