夜勤は一人が当たり前?
介護施設の夜勤は一人で行わなければいけないと考えて、怖いイメージを持っている方もいるでしょう。
夜勤は一人が当たり前ではありませんが、ワンオペでやらなければいけない施設も少なくはありません。
夜勤のワンオペは多い?
夜勤をする時の常駐スタッフの人数は『施設の広さ』や『利用者の人数』なにより『そこで働くスタッフの人数』によって異なります。
二人で十分なところもあれば、三人以上いても足りない場合もあるでしょう。
一人でも大丈夫なところなら、そちらでの夜勤はもちろんワンオペで行うことになるはずです。
しかし、介護の現場は慢性的な人手不足と言われていて、施設によっては十分なスタッフの人数を確保できていない場合もあります。
介護施設の人員配置基準とは
下記は法律で定められている介護施設の人員配置基準になります。
介護付き老人ホームの人員配置基準 … 要介護者3人に対して看護職員1人
介護付き老人ホームの人員配置として上記のような最低基準がありますが、これは24時間その基準を満たしている必要があるという意味ではありません。
「常勤の介護、看護職員の総数が3:1の基準を満たしている」といった条件になっています。
そのため、人手不足の施設では夜勤でも理想とされる人数を用意できず、ワンオペでこなさなければいけない可能性があるのです。
そのような施設で働くと、ワンオペで連続夜勤をやらされるケースもあるので留意しておきましょう。
夜勤回数の上限とは?
夜勤回数についてはどのように定められているのでしょうか。
夜勤の回数の制限とは
夜勤の回数は上限が決まっていないため、月何回行わなければいけないのかは施設次第だと言えるでしょう。
月に5回のところもあれば9回のところもあるので、希望する回数がある時は叶えてくれる施設を探す必要があります。
もしかすると、労働基準法で夜勤回数に制限があると考えるかもしれませんが一切定められてはいません。
労働基準法に記載されているのは休憩時間や休日などに関するルールです。
夜勤専従の上限とは
なお、夜勤を専門にして働く夜勤専従勤務の場合は、月に144時間が上限とされている場合が多いです。
ただし、労働基準法で決まっているわけではないので、守らなくても罰則はありません。
以前は夜勤専従勤務には144時間の上限がありましたが廃止されました。
ですが、夜勤専従勤務者の身体や心の健康のことを考えて、ルールとして残しているところもあります。
そこで問題になるのが、あくまでルールなので144時間の上限を守っていない施設もあることです。
つまり『日勤で働く場合』も『専門にして働く場合』も、施設に尋ねなければ夜勤回数は分からないと考えたほうが無難でしょう。
施設で働き始める前に面接などで労働条件を尋ねることはできるため、働く前にしっかりと確認することをおすすめします。
介護士の夜勤は楽?
介護施設での夜勤が楽になるかしんどい状況になるかは、常住するスタッフの人数と仕事の量によって異なります。
それらのバランスがきちんと取れていれば、理不尽に大変な思いをすることは少なくなるでしょう。
夜勤が楽かどうかは介護の度合いによって違う
なお、一般的には利用者の介護の度合いが低い施設に勤めれば、仕事の量が少ないため一人夜勤でも楽な可能性があります。
施設の利用者は眠っているので、やることがほとんどなく暇つぶしの方法を考える方がいるほどです。
逆に、介護の度合いが高い施設では夜にトラブルが起こり、夜勤の仕事がしんどいものとなる可能性があります。
そのような施設では、体力的にだけではなくアクシデントにいつでも備えておかなければいけないため、心理的にも大変な思いをする場合もあるでしょう。
夜にトラブルが起きなければ楽に過ごせることが多い
それぞれの施設で事情は異なるので、一概に夜勤の仕事が楽だと言うことはできません。
しかし、夜にトラブルがまったくないのなら、昼間よりも夜勤の仕事のほうが楽な場合が多いです。
介護の仕事は基本的に利用者が日常生活を快適に過ごせるようにサポートしてあげるものです。
そして、起きている時と寝ている時では必要とするサポートは異なります。
夜に限って問題を起こすなどの理由がなければ、寝ている時に行うサポートのほうが少なく済むので夜勤のほうが楽だと言えるのです。
介護士の夜勤あるある
夜勤介護士のあるあるとしてはどんなものがあるのでしょうか。
あるある1 自分が夜勤の時にだけトラブルが起きる
夜勤あるあるで多いと言えるのが、自分が勤務をした時だけトラブルが起こるというものです。
同僚は経験しないのに自分だけ何故か『頻繁にコールされた』や『徘徊が酷かった』などのトラブルを経験してしまいます。
ただ、記憶に残りやすいのは印象が強い出来事なので、本当にトラブルが多いのかは分からないです。
記憶に強く残っていることで多く感じているだけで、本当は自分だけの思い込みかもしれません。
あるある2 暇つぶしが必要になる
そして、思っていたよりも夜勤の仕事が楽で、暇つぶしが必要となるのも介護あるあるです。
激務だとイメージして働き始めたのに、やることが少なくて暇を持て余してしまう場合があります。
そんな時にはなにしてるかというと、ゲームをやったりスマホをいじったりして時間が過ぎるのを待っていることが多いです。
暇つぶしをするのはけしからんと思うかもしれませんが、何もトラブルが起こらない夜の特権だと言えるでしょう。
何かあったときは忙しく動かなければいけないので、休めるときに休んでおくのは当然です。
あるある3 夜勤を怖がらせる「怖い話」が伝えられる
なお、それなりに歴史がある施設なら『幽霊がでた』や『不吉な部屋』など怖い話もそれなりにあります。
その怖い話をおもしろ半分で新人に伝え、夜勤を怖がらせるというのも介護あるあると言えるでしょう。
介護士の夜勤の注意点とは?
夜勤で働く場合の注意点として心掛けた方が良いポイントを紹介していきます。
巡視の頻度は守り、状況をきちんと書き留める
夜勤の仕事のメインとなるのが巡視で、利用者を一人ひとり見て回って異常がないかしっかりとチェックすることになります。
施設によって巡視の頻度は異なるため、定められた回数をきちんとこなすようにしましょう。
もちろん、見るだけではなく記録も付けなければいけないので、よく観察して状況を完璧に書き留める必要があります。
書き留めた情報は次のスタッフに引き継がれて、利用者のサポートに使われるため手を抜いてはいけません。
トラブルの対処法を身に付ける
またワンオペで夜勤を行う場合は、トラブルがあった時の対処方法を確認しておく必要があります。
一人で全てをこなさなければいけないので、トラブルになった時にパニックになることはできないからです。
提携している病院やクリニックへの連絡方法などをきちんと把握し、完璧な対処をできるようにしておきましょう。
働き始める前に労働条件をしっかり確認しておく
なお、夜勤で後悔しないためにも働き始める前に労働条件をしっかりと確認しておくことが大切です。
給料や勤務時間はもちろん、夜勤の人数・回数などもしっかりと質問してから働き始めると安心です。
もしも、働き始める前に決めた夜勤回数の上限を無視されたなど、問題が起こった場合はしかるべき機関への相談を考えましょう。