看護師なのにミスが多い
看護師の仕事は複雑かつ量が多いことやプレッシャーがかかりやすい環境であることなどから、意外と失敗が多いとされています。
特に新人看護師は慣れない環境や仕事内容と緊張から抜けが多い傾向があり、ミスを起こしてしまうことは珍しくありません。
確認不足によるミス
そんな看護師のミスの中で特に多いと言われているのが、確認不足です。
例えば点滴や薬に書かれている名前をうっかり確認し忘れてしまい、違う患者に投与してしまうというミスは大なり小なり起こっています。
また、違う患者に投与するだけではなく、投与しなければいけない点滴や薬を忘れてしまう、リハビリなどの予定をうっかり忘れてしまうなどのミスも少なくありません。
ほかにも検査や手術などで外しておかなければいけない患者の装飾品を外し忘れてしまう、確認し忘れてしまうというミスも意外と多いと言われています。
命に関わる可能性もある
ミスの多くはそこまで大ごとにならないものの、点滴や薬を間違えて投与してしまう、投与し忘れてしまうなどのミスは下手をすれば患者の命にかかわってくる大きなミスです。
結果として患者の命に問題がなくても医師や他の看護師に迷惑をかけてしまうことが多いのは、看護師のミスの特徴のひとつだとされています。
ミスで看護師を辞めたい
様々なミスからインシデントを起こしてしまい、それがトラウマになってさらにミスが続いてしまうというのは看護師にとって珍しいことではありません。
悩み過ぎて辞めたくなってしまう
看護師のミスやインシデントは場合によっては死亡事故や重篤な事故につながってしまいます。
このため、あまりにミスが続いてしまうと自分のせいでと悩みすぎてしまい、仕事をするのが怖い・仕事を辞めたいと考えてしまうケースも少なくないと言います。
原因と対策を考える
上記のようにミスで看護師を辞めたいと思った時の対処法としては、まずミスやインシデントの対策を考えることが大切です。
ミスやインシデントを起こした看護師の多くはミスを怖いと思ってしまい、そこで落ち込んでしまいがちです。
そうではなくミスやインシデントを起こした原因を自分の中で検討し、対策を立てていくと同じミスを起こす確率をどんどん下げることができます。
そうすることで自分のせいでミスを起こしたと落ち込む回数も少なくなるため、気持ちを切り替えやすくなります。
信頼できる人に相談をしてみる
自分の力だけで辞めたい気持ちを変えられないという人であれば、信頼できる人に相談したり環境を変えてみるというのも効果的な対策です。
それでも怖いという気持ちが変わらないのであれば、看護師に向いていないと辞めてしまうのもありだと言われています。
看護師がミスを隠す
看護師の中には、ミスをしてしまった事実を人に知られたくない・怒られたくないという気持ちから嘘をついてしまったりミスを隠す人もいます。
そうすることでミスの責任が自分にはないと周囲にアピールすることができますし、ミスを隠すことで怒られずに済むなど気持ちの面で安心できるという人は少なくないようです。
大きな問題になってしまうこともある
ただ実際には看護師のミスの中にはやばいものも多いため、嘘をついたり隠すことで大きな問題に発展してしまう事例もあります。
例えば、点滴や薬を誤って違う患者に投与してしまったことを隠したり、違う患者に投与していないと嘘をついてしまうとします。
そのせいで、患者のバイタルや様子が大きく変動してもすぐに気づけない可能性があります。
実際にあった事例として、点滴や薬を誤った患者に投与したことで患者の容体が急変してしまったものは数多く報告されています。
隠したり、嘘はつかないこと
このようにミスをした時点では問題なかったとしても、後々死亡事故や重篤な事故につながってしまう可能性があります。
そのような事例を報告せずに隠してしまうとほかの看護師も同じようにミスをしてしまう可能性があり、事故の再発予防を検討することもできないのです。
このようなリスクを避けるためにも、ミスは隠したり嘘をつかないことが大切だと言えます。
看護師のミスによる死亡事例
看護師による医療ミスは、医療機関で発生する医療事故のおよそ6割を占めていると言われています。
これは年間でおよそ4000件から5000件ほど発生している医療事故の件数を考えると、およそ2000件から3000件という割合になっているのです。
そして、その中で患者が死亡してしまう事態に発展した医療事故の割合は、年間平均でおよそ7%ほどとされています。
これは、日々働いている看護師にとっては決して他人事ではない件数だと言えます。
誤薬投与による死亡事例
実際に患者が死亡した看護師のミスによる死亡事故の事例としては、例えば誤薬投与によるものがあります。
誤薬投与そのものは看護師のミスの代表的なものなのですが、死亡事故に発展した事例では薬ではなく消毒液を注射したことで患者の容体が急変して死亡してしまったようです。
消毒液ではなく血糖値を下げる効果を持つインスリンを点滴で過剰投与したことで死亡してしまった事例もあります。
看護師の見守り不足による事例
ほかにも看護師が患者から目を離したすきに食べ物をのどに詰まらせて窒息した結果、死亡してしまったという事例も報告されています。
また、誤って患者を転落させてしまい、その結果そのまま死亡してしまったという事例も報告されています。
このように点滴や薬だけではなく、見守り不足やちょっとしたミスで患者を死亡させてしまった医療事故は非常に多く見受けられるのです。
ミスが続く時の立ち直り方
どんなに注意して仕事をしている看護師であっても、ちょっとしたミスをしてしまうことはあります。
また、ミスばかり続いてしまって立ち直れないと落ち込んでしまったり、大失敗をして看護師を辞めたくなってしまうというケースも決して珍しくありません。
他の看護師の失敗談を見る
誰しもそのような経験をしているのですが、それでも看護師を続けている人のミスからの立ち直り方としては、ほかの看護師の失敗談を見るという方法が挙げられています。
これはミスばかりしてしまったり、大失敗しているのは自分だけではないという安心感を得ることができます。
さらに、自分と同じような失敗をしている人がどのように立ち直っているのか、ミスを改善しているのか参考にすることができます。
自分のできていることに目を向ける
ミスばかりに目を向けるのではなく、できていることにも目を向けることで自分に自信を持つという立ち直り方もありますよね。
ネガティブなものばかりに目を向けていると立ち直れないので、ポジティブなものにも目を向けることが大切です。
立ち直れないときのおすすめの名言
ほかにも大失敗をして立ち直れないという人におすすめの名言として、下記のような有名な言葉があります。
佐藤辰雄
積極的に仕事をすれば、失敗するのは当たり前
この言葉から、失敗を悩むことよりも、積極的に仕事に取り組む姿勢が大切と言えます。
失敗を恐れるより挑戦することで、成長のチャンスと考えると良いでしょう。
松下幸之助
失敗したところでやめるから失敗になる。成功するまで続けたら、それは成功になる。
失敗の原因を素直に認識し、「これは非常にいい体験だった。尊い教訓になった」というところまで心を開く人は、後日進歩し成長する人だと思います。
失敗を続けることで、自分の知識や経験に繋がります。
失敗をすることが良いこととは言えませんが、成功するために必要なことと言えるでしょう。
身近な人からの応援
名言の他にも、同僚や先輩看護師からの励ましの言葉や、患者からの言葉がモチベーションになることもあるでしょう。
落ち込んでいるときには、聞き入れることは難しいですが、大切な心の支えになります。
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