育児と仕事の両立で辞めたくなる…
日本では離婚率が3割を超えているといわれており、割合から見てもシングルマザーとなることは珍しいことではありません。
しかし、シングルマザーになると仕事と育児を両立させなければならなく大変です。
特に子供が小さいときは夜泣きをしたり頻繁に具合が悪くなったり駄々をこねたりと、心身ともに休まることがありません。
ストレスで体調を崩すこともあるでしょう。
自分の実家に住んでいて両親が健在の場合はよいですが、身近に誰もいない場合は子育てに行き詰ったときに相談に乗ってくれる人がいないことも、しんどく感じます。
看護師は特に大変
また、看護師という仕事もやりがいがある反面、大変な仕事です。
大きな病院の看護師になると基本的な勤務体制は下記のように分かれます。
- 日勤
- 準夜勤
- 深夜勤
仕事内容も申し送りから点滴準備、患者の検温に検査補助など多忙な1日を送ります。
看護師は業務のつらさだけではなく、直接人の命に関わる仕事ですので心労も少なくありません。
独身であったり家族がいたりしても大変な仕事です。
専業主婦でさえ奮闘する子育てと、仕事をしながら子育てをすること(いわゆるワーキングママ)は大変です。
特に看護師という仕事と両立させるのは並大抵の苦労ではないのです。
自身の体調もよく、子育てと仕事の両立が上手くいっているときはよいかもしれません。
しかし、1つでも歯車が狂うと仕事を辞めたいとまで思ってしまうことも多々あります。
看護師の給料で子育てはできる?
看護師の給料は働く病院や経験、働き方などで変わってきますが、厚生労働省「令和元年度 賃金構造基本統計調査」によると、下記のようになっています。
女性看護師の平均月給は約33万円
准看護師の平均月給は約28万円
看護師と准看護師の違いは、取得している資格・免許にあります。
看護師は厚生労働大臣が認定する国家資格を所有し、准看護師は都道府県知事が認定する免許を所有しています。
また、看護師は自らの判断で業務をおこなえるのに対し、准看護師は自らの判断では業務をおこなえません。
准看護師は医師や看護師の指示を受けて業務をおこないます。この差が平均月収にもあらわれているのです。
子どもの数と年齢による違い
看護師や准看護師の給料で子育ては可能であるかについては、子供の数や年齢、私立学校に通うかなどで変わってくるのではないでしょうか。
内閣府政策統括官(共生社会政策担当)「インターネットによる子育て費用に関する調査」によると下記の費用がかかると言われています。
未就園児の年間費用は84万3225円(月に換算すると約7万円)
未就学児の年間費用は104万3535円(月に換算すると約8万7000円)
小学生の年間費用は115万3541円(月に換算すると約9万6000円)
中学生の年間費用は155万5567円(月に換算すると約13万円)
この数値は子供1人にかかる費用ですので、子供が2人いる場合は単純にこの倍のお金がかかります。
家計簿をつけてやりくり上手を目指そう!
多くの母子家庭では、子供2人以上の場合は特に家計が厳しくなります。
シングルマザーは少しでも節約することが重要となり、家計の状況を知るためにも家計簿をつけることをおすすめします。
まずは家計の状況を知ることがやりくり上手のきっかけになります。
家計簿のつけ方
家計簿の書き方は、収入内訳と支出内訳を書き、生活費も細かく分けて書くとよいでしょう。
一般的な生活費の内訳には下記のような項目を書きます。
- 家賃
- 光熱費
- 食費
- 各種の保険料
- 教育費
- スマホなどの通信費
- 車を所持している場合はガソリン代や車の維持費
このほか日用品や医療費、交際費などなるべく細かく書くと普段のお金の動きが具体的にわかり、節約できる箇所も見えてきます。
節約するには
節約の考え方には、まずは住宅や自動車、保険に通信費といった固定費を見直すことが重要となります。
固定費のなかで節約しやすいといわれているのが、自動車費です。
自動車を所有していて通勤や買い物などで毎日使用しない場合は、必要な時にレンタカーを借りたほうが安く済むケースが多いです。
また、通信費もスマホの契約プランを見直すと、使っていないオプションなどが見つかることがあります。
しかし、看護師の仕事が忙しく家計を見直す時間すらないという人は、あらかじめ食費や日用品、衣服代などの上限を決めてしまうとよいでしょう。
はじめは上手くいかなくてもなれてくると目安がわかり、節約することができます。
児童扶養手当を活用しよう!
さまざまな事情により母子家庭になってしまった場合は各自治体で手続きをすることによって、国から児童扶養手当をうけることができます。
児童扶養手当とは
児童扶養手当法に基づいた制度で、ひとり親世帯の家庭生活の安定と自立の促進を目的としています。
支給対象者は18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある児童の監護する母や父、祖父母などです。
子供に障害がある場合は、20歳未満の子供を持つ親などが対象となります。
支給日は奇数月に年6回で、各2カ月分ずつ支給されます。
受け取れる金額
受け取れる金額は児童1人の場合は下記のとおりです。
- 全部支給で4万2910円
- 一部支給で4万2900円から1万120円
児童が2人以上の場合は加算となり2人目は下記のとおりです。
- 全部支給で1万140円
- 一部支給が1万130円から5070円
3人目以降は1人につき下記のとおりです。
- 全部支給で6080円
- 一部支給で6070円から3070円
手当を受けるためには、まず自分の所得を計算して全部支給か一部支給なのかを確認します。
所得の計算方法は下記のとおりです。
給与所得控除後の金額+年間の養育費(×0.8)-その他の該当する控除額
一部支給の月額支給額を計算したい場合は下記のように計算します。
4万2490-(年間所得-全部支給の所得制限限度額)×0.0226993
また、自分の所得が手当をもらえる金額であっても、条件によって手当をもらえない場合もあります。
たとえば、自分の両親と住んでいる場合は両親の所得も世帯収入として換算されてしまい、手当をもらえません。
再婚も視野に入れるべき?
看護師として働きながら子育てをしていくのは、並大抵の苦労ではありません。
再婚すれば生活も安定し、幸せもつかめます。
しかし、死別によってシングルマザーになった場合は、さまざまな感情から再婚を考えられないかもしれません。
また、離婚してシングルマザーとなった場合も1度結婚に失敗しているため、再婚に対して躊躇している人が多いのではないでしょうか。
もちろん、無理矢理相手を探す必要はありませんが
未来の生活や自分自身の幸せ、子供のことも考えて再婚は視野に入れるべきです。
再婚率は意外と高い
再婚率は意外にも多く厚生労働省が発表した平成28年度人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」の概況によると、平成27年に結婚した夫婦のうち約4組に1組が再婚でした。
シングルマザーが再婚するきっかけは、友人の紹介や職場の同僚からの告白などが多いようです。
しかし、再婚によって失敗したケースもあります。
たとえば、結婚した後に男性に借金があることがわかったり女性関係にルーズであったりするケースです。
また、再婚後に自分との子供が欲しいと迫られ、再婚したことを後悔した人もいます。
再婚を視野に入れるべきですが、あくまでも自分にとっても子供にとっても幸せになれる相手というのが必須条件です。