ADHDは看護師に向いていない?
ADHDとはどういった特性を持った人のことを言うのでしょうか。
ADHDとは?
ADHDとは注意欠陥多動性障害のことで、注意力が続かなかったりじっとしていなければいけない状況でも落ち着かないなどの症状を抱えています。
そんな症状を抱えながらでも看護師として働いている人も多くいます。
しかし、発達障害を抱えている自分には看護師は向いていないのではないかと辛い気持ちを抱えている人も少なくありません。
それでも無理に頑張ろうと仕事に打ち込んでみるものの、精神的にも身体的にも疲弊してしまい、最終的には仕事が続かないという人も多いようです。
ADHDを抱えている人たちに向いている仕事、向いていない仕事というのはあるのでしょうか?
ADHDの人が向いている仕事とは
一般的にADHDを抱えている人たちに向いている仕事というと断言することは難しいですが、自分が興味を持ててチャレンジすることができる仕事が向いているとされています。
例としてはビジネスマンが挙げられており、軽いADHDであれば仕事の与えられ方などによってはやりがいを感じながら仕事をすることができると言われています。
ADHDの人が向いていない仕事とは
逆にやらなければいけない仕事が広範囲で、マルチタスクを抱えながら自分でスケジュール管理をしなければいけない仕事は向いていない傾向があるようです。
特に注意力が必要不可欠な仕事や単調過ぎる仕事は集中力が続かないため、ADHDには向いていないと考えられています。
ADHDが原因でミスが多い時には?
ADHDの人が仕事上でミスしてしまう原因として多いものはどんなことでしょうか。
ケアレスミス
ケアレスミスとは本人の不注意が原因で発生してしまうミスの総称で、ADHDを抱えている人が起こすミスの中でも特に多いものとして挙げられています。
ADHDは発達障害としての性質上、気が散りやすく注意力が散漫になりやすいです。
このため本人は気を付けているつもりでも、言われたことを忘れてしまったりやっておくべきことをやらない、必要な情報を見落としてしまうなどのミスをしてしまう傾向があります。
具体的には電話を受け取って折り返しが必要な連絡でも折り返さない、約束やスケジュールに遅刻したり忘れてしまう、書類の記入ミスや漏れがあるなどの内容です。
うっかりミス
うっかりミスも同じような内容になりますが、看護師の仕事に当てはめるとうっかり薬や点滴を間違えたりカルテへの記入ミスをしてしまうなど、場合によっては思わぬ大きなトラブルに発展しかねないミスをしてしまうこともあります。
このようにADHDが原因でミスを多発してしまうと、仕事に悪影響が出てしまいかねません。
特に看護師は患者の命を預かっている仕事なので、ケアレスミスやうっかりミスで患者を危険にさらしてしまうリスクがあるところがADHDの看護師を苦しめているのです。
ADHDで指導を受けたら
もしADHDで仕事に対する指導をされたら、対応のポイントとしては自分だけではなく職場の人たちも巻き込んで環境づくりを行うことです。
職場の人たちに打ち明ける
例えばADHDであることを打ち明けずに仕事をしているのであれば、同じ職場の人たちに自分がADHDであることをカミングアウトすることは非常に重要な対応とされています。
そうすることで職場の人たちはADHDに対する接し方や付き合い方を考えてくれますし、仕事の振り方などの工夫に協力してくれる可能性が高いです。
ADHDの特性を生かす
それと同時に、ADHD本人も会社の上司や同僚との接し方、そして看護師として欠かすことができない患者との接し方を改善することも必要となります。
上司や同僚に伝えること
- ADHDの症状
- 仕事上での問題点
- 自分にできること
- 自分の行動で気になることを言ってもらう
会社の上司や同僚に対してはADHDの症状や仕事上での問題点、自分にできることなどを伝え、自分に対する取扱説明書を一緒に作成するやり方が効果的です。
取り扱い方を周囲が理解すればADHDの特性を最大限生かすことができますし、付き合い方も見直すことで本人だけではなく周囲のストレスも緩和することに繋がります。
また患者との接し方を改善する場合も可能であれば同じようにADHDであることをカミングアウトした上で、自分の行動で気になるところがあればはっきり言ってほしいと協力を仰ぐことも大切です。
ADHDで働くのが辛いとき
ADHDを抱えながら看護師をしている人の中には、働くことが辛いと苦しんでいる人は多いです。
特に職場の理解や協力が得られないとお互いにストレスが溜まってしまいますし、看護師として働くことに苦痛を感じやすくなってしまいます。
そんなADHDで働くのが辛い時の仕事術としては「自分のADHDの特徴を理解する」「諦めることを覚える」という2つが挙げられています。
自分の強みと弱みを知る
まずどのような職種で働くにしても、自分が抱えているADHDの特徴を理解しておかなければ働き続けることは難しいです。
ポイントは自分の強みと弱みを知ることで、症状も不注意が多いのか多動が多いのかによって働き方が異なってきます。
そのためまずは自分のADHDの特徴を踏まえて、それに応じた自分自身の取扱説明書・マニュアルを作成していきます。
それだけでは作業になってしまうため、仕事の中にタイムアタックや競争などのゲーム要素を取り入れてみると、働くことへの辛さを改善できる可能性があります。
本当にやりたいことを見つめ直す
また看護師として働くことが辛いという場合は、本当にやりたいことが看護師なのか見つめなおすことも必要です。
看護師という仕事に執着することでより辛くなってしまう可能性もあるため、執着を捨てて別の仕事を探すというのもADHDの仕事術としては重要になります。
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ADHD看護師のブログ
ADHDを抱えながら看護師として仕事をしている人、または看護学生として悩みを抱えているという人の中には、同じ気持ちを共有したいとブログを開設している人もいます。
体験ブログ
例えば「ADHD看護師芸人花盛ジェニファ」さんのブログでは仕事中のミスに対する記事が書き込まれていることがあるのですが、ただミスをしてしんどいというだけではなく、どのように対策をしたのかなど具体的な内容が書き込まれています。
そのためミスの多さに苦しんでいる人や仕事で悩んでいる人にとっては、良いアドバイスが掲載されているブログです。
また「ADHDの私が看護師のキャリアを捨てた話」や「看護師の姉がADHDで退職するまで。」などの体験ブログでは、仕事の辛さや看護師を辞める決断をした経緯、その時の心情などが掲載されています。
このようにADHDの人が看護師を諦める内容のブログが多い中で、看護師として仕事をするためのポイントをまとめたリーダーになれないADHD看護師の実態「謝罪しかない」もあります。
看護学生のブログ
ほかにはADHDを抱えていても看護師を諦めたくない看護学生のブログもいくつかあり、「ADHD 看護学生の日常」などが紹介されているようです。
これらのブログでは、ADHDの看護師として仕事がしんどい、辛いと感じているものが多く、そこから看護師を続けられる人もいれば転職して別の路を探す人もいるなど、様々な意見が見受けられます。